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こんにちは。ヨッピーです。

本日の「ジモコロ」はとある目的があって福島に来ております。

 

その目的というのが……

 

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これです! 相馬野馬追!!

相馬野馬追執行委員会公式ページ

 

騎馬武者500騎が競馬さながらに走りまくる迫力満点のお祭り。毎年7月に開催されていて2015年は7月26日〜28日の3日間開催されました。ちなみに昨年の来場者数は約16万人

元々は鎌倉幕府以前、平将門が野生の馬を野に放ち、それを捕える軍事訓練としてはじめたのが起源だそうです。一千余年の歴史があり、現在は重要無形民俗文化財にも登録されてるのだとか。1000年て。なにそれ。

 

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とはいえ、ジモコロが福島入りするのは初めて。まずは福島駅から目的地の南相馬市までいろいろと見てまわっていこうと思います。

 

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途中、道の駅「川俣シルクピア」に立ち寄ったところある物を発見。

 

 

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箱にぎっしり詰まった福島名物の桃です!

ちなみに20個入り(5kg)なんですが、これでお値段いくらだと思います?

 

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まさかの1000円ですからね。安すぎ。

多少傷があるといっても1個50円の値段はコスパよすぎる! 東京のスーパーで売ってる桃だと2個398円くらいするよね。

 

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「この甘さ、柔らかさで50円か……! 福島めちゃくちゃだな……!」

などと思いながら桃を食べる僕。栄養価の高い皮ごといただきました。いやぁ、幸先良いスタートですな!

 

南相馬市に到着! 

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今回の相馬野馬追ツアーの面倒を見てくれるかんち君と合流。ずんぐりむっくり体型のかんち君はこの「ジモコロ」を運営するバーグハンバーグバーグの社員なのですが、福島県南相馬市の出身なのだ。

年に一度の大きなお祭りの開催ということもあって南相馬市内のホテルはほぼ全滅。まったく予約が取れなかったので、今日はかんち君の実家にお邪魔する手はずになっているのであります。相馬野馬追の会場まで徒歩圏内なので一石二鳥!

 

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地元の新聞は、相馬野馬追ばかり! 大将や副大将の扱いが大きい。

 

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「野馬追の事しか書いて無ぇじゃねえか!」

 

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「南相馬市と相馬市の人はこのお祭りに人生賭けてるんですよ。一年間ず〜っと準備してるんで、この時期になると完全に浮かれはじめますね。会社を休んで参加する人もたくさんいます」

 

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「仕事しろ!」

 

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近くの南相馬市博物館はもちろん相馬野馬追一色だし、

 

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普通に甲冑着た騎馬武者がその辺歩いてますからね。

どんな土地柄だ。

 

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あちこちに馬糞が落ちているのも、相馬野馬追の開催期間中ならではの光景。 

 

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 ご飯を食べようということで、かんち君に連れられて来たのがこちら。

 

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「原発の影響で元々あった土地で営業できなくなったお店が、こういった仮設の店舗で営業してるんですよね」

 

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「おお……なるへそ……!」

 

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お邪魔したのは地元で人気のラーメン屋「双葉食堂」さん。

 

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はい、もう完全に美味そう。

 

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実際美味いんですよね、これが……! お酒飲んだ後に食べるとめちゃくちゃ「沁みる」タイプの優しい醤油ラーメンだわこれ……。

 

こうやって食べてると普通の美味しいラーメン屋さんなんですが、店内のポスターに目をやると… 

 

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こんな風に放射線量マップが貼ってあったり、

 

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営業再開を知らせる新聞を貼ってあったりと、やっぱり原発事故の影響はそこかしこに見える。やはり震災の爪痕はまだまだ残ってますね。

 

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かんち君の実家はガソリンスタンドを経営してていて、津波の被害を思いっきり受けた店舗があるそうです。震災以来そのまま放置されているらしく、見に行くことにしました。

 

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「このあたりは避難指示解除準備区域といって、許可無しでは自宅に寝泊まりできないけどお店の営業はできる区域なんです。ただこの店舗はお客さんの数や設備コストなどの面で、いつ営業再開するかはまだ分からないですね。ほかにも宿泊やお店の営業もできない居住制限区域、さらに向こう5年以上の長期にわたって住めないであろう帰還困難区域があり、それらは放射線の年間積算線量によって区分されています」

 

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「なるほど。このガソリンスタンドは、改装して間もないころに被災したんだよね」

 

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「そうですね。僕もガソリンスタンドの仕事を継ぐ予定だったんですけど、震災きっかけでそうはいかなくなって」

 

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比較的新しい店舗なのに、設備はだいぶ色褪せて見える。やっぱり人の手が入ってないと設備の劣化も早くなるらしい。

 

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近くにあったパチンコ屋さんも廃墟と化してる。

 

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「1階部分がごそっと抜けてる。ここまで津波が来るんだ……!」

 

 

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海の方に行くと、分厚いコンクリートの堤防がボロボロになっているのがわかる。

 

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土台だけになってしまった民家の跡地も。剥き出しのまま残されているのが生々しい。

 

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「結局、3.11に触れずに福島の現状伝えるのはムリやね」

 

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「そりゃあそうですよ。現在進行形で起こってることですもん。僕の本来の実家もまだ避難指示解除準備区域に引っかかってますし。せっかくなので見に行きます?」

 

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「ここが僕が産まれ育った実家なんですけど、まだ自由に住むことはできないんですよね……」

 

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「石を投げるなーーーー!!!!」

 

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「うるせぇ! どんな豪邸じゃコラ!」

 

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「いや田舎だからですよ! 東京の価値観とは違いますから!」

 

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「これなあに?」

 

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ですね」

 

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「金目のモノ、残ってないかな」

 

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「マジでやめてください」

 

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結局その日はかんち君のご両親のお住まいにお邪魔して、一家団らんのバーベキューに混ぜてもらいました。

 

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こちらはかんち君が溺愛してる息子。

 

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「お父さんみたいなずんぐりむっくりな体型に成長しなければいいねぇ」

 

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「……」

 

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田舎の夕焼けは綺麗だな〜!! 

 

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そして爆睡。

 

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「こいつ、マジで厚かましいな……」

 

いよいよ相馬野馬追当日!

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カメラマン担当の柿次郎と一緒に豪華な朝ごはんをいただきます! かんち君の実家のおもてなしすごい!

 

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何この顔。

やる気、あるのかな?

 

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天気は快晴~~~~!

めちゃめちゃ晴れよる~~~~~~~!

 

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お祭りといえばこれですよね!

屋台もバッチリや!

 

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ヤキソバうめぇwwwwwwwwwwwwww

 

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桃はもっとうめぇwwwwwwwwwwwww

しかも、この量で200円とかwwwwwwwwwwwww

 

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こちらが合戦の舞台となる会場! ひろーい!

 

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甲冑に身を包んだ騎馬武者が次々に登場! 町中を騎馬隊が列をなして会場に入っていくのが習わしだそうです。人がどんどん集まってくる。

 

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「おおーー! すげぇ迫力!」

 

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「でしょう! この地区が一年で一番盛り上がる日ですから!」

 

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「でもさ、顔を真っ赤にしながら馬に乗ってる人がいるけどどうしたのかな?」

 

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「え? 僕にはそんな人見えませんけど?」

 

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「ほら、あの人とか顔真っ赤っかだよ」

 

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「さあ? 日焼けとかじゃないですかね?」

 

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「日焼けであんな顔にはならんでしょ。ひょっとしてお酒……」

 

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その話はやめろ

 

 

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こんな近くで騎馬武者が見られる!

すごいなーー! マジで戦国時代みたい!

 

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たくさんのカメラマンが待ち構える!

 

おじさんA「テメー! ふざけんじゃねぇぞこの野郎!」

おじさんB「俺の方が先に場所取ってたんだよ!!」

 

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あれ、おじさんとおじさんが場所取りでケンカしてる

 

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「甲冑競馬をいい場所で撮影したいんでしょうね」

 

おじさんC「おい!みっともねぇからやめろよ!」

 

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「通りすがりのおじさんが一喝したらシュンとなった」

 

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「みっともないから、っていうのは喧嘩仲裁にピッタリな言葉ですね」

 

 

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気を取り直して甲冑競馬がはじまったーーーーー!

 

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「旗が風に煽られてバタバタ音をはためかせながら走り抜けるのカッコイイ!」

 

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「競馬とはまた違った良さがありますよね」

 

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「まあ、僕の場合競馬は利益が絡んで純粋に見ることを楽しめないからね……」

 

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神旗争奪戦というのもある。

馬に乗ったまんま、上空に打ち上げた旗を獲り合うのだ。

 

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「すげーな! よく怪我人出ないね!」

 

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出ますよ。普通に出ます」

 

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「それで救急車があんなに待機してるのか……!」

 

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「甲冑を着込んでるから、そこまで大きな事故にはならないらしいんですけどね」

 

騎馬武者のベテランに意気込みを聞いた

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立派な甲冑姿のおじさんコンビが休憩していたので話を聞いてみました。たぶん、只者じゃないと思う。

 

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こちらの髙田さんは「軍師」という偉い役職についていたこともある古参中の古参だそうです。検索したらインタビューも載っていました。

 

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背中の立体的な刺繍もすごい!

 

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「失礼ですけど、この甲冑とかってめちゃくちゃ高いですよね?」

 

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「そうだねぇ。陣羽織だけで70万円くらいかなぁ」

 

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「oh……! 甲冑もすごいんですよね」

 

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「基本的には先祖代々伝わってるモノを使うんだけど、馬具も含めて一式そろえると結構な金額になるよ」

 

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愛馬についてる馬具。確かに装飾も手が込んでいて値が張りそう。

 

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「この馬具一式で300万円くらいするかな」

 

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「何それ……! 新車が買える値段じゃないですか……!」

 

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「それだけね、やっぱり相馬の人は野馬追に思い入れがあるんだよね」

 

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「1年かけて野馬追に向けて準備するって聞きましたけど」

 

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「そうそう。でもね、震災があった年の野馬追なんかはもう例年の半分以下の馬しか集まらなかったんだよね。1000年続いた野馬追ももうこれでおしまいか…っていう状況になったんだけど、少しづつ人が戻ってきてるんだよ」

 

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「おお……!」

 

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「もちろん復興なんてまだまだ道の途中なんだけど、今年の野馬追は震災前の水準に戻ってきたから少しは明るい未来が見えてきたかな。若手の乗り手も増えてるし、お客さんもこんなに集まってくれてるし、このお祭りきっかけで気づくことも多いね」

 

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「なるほど。南相馬市にとって復興のシンボルなんですね」

 

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 「実は僕、生で見るの初めてなんです」

 

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こら! 毎年見に行け!

 

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貴重なお話、ありがとうございました!

 

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ちなみに今年の相馬野馬追は約500騎が参加し、のべ来場者数は3日間で約20万人だったそうです。青年やおじさんだけでなく、10代の女の子が馬に乗って駆ける姿は爽快そのもの。盛り上がって良かったなーーーー!

 

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ただし、死ぬほど暑かったけど。行く時は暑さ対策必須やで!

 

福島の魅力はまだまだ続く

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南相馬市を離れて、レンタカーで移動。めちゃめちゃ真っ直ぐな道が最高! 運転していて気持ちいいなー!

 

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いやー、夏っぽさある。

 

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観光地として有名な五色沼から望む磐梯山も乙ですな。

 

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五色沼ってその名の通り色とりどりの沼のことなんですが、こんな風に緑がかった水かと思いきや…

 

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場所によってはめちゃめちゃ青いんですよ! 不思議!

 

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帰り際、「温泉に入りたい!」って僕がゴネて立ち寄った「土湯温泉」。昭和レトロな温泉街で落ち着く。

 

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お邪魔したのはリニューアルしたての温泉旅館「福うさぎ」さん。全館畳敷き!

http://www.fuku-usagi.net/

 

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温泉に入って旅の疲れを癒やします。やっぱり旅行でも、取材でも、締めは温泉ですね。

 

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足湯もあるよ!

 

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というわけで今回の福島は南相馬の相馬野馬追ツアーはいかがだったでしょうか。快晴続きで日焼けしたロバート・デ・ニーロみたいな顔になってしまいました。

震災、そして原発の問題が福島に暗い影を落としていることは間違いないのですが、それでも地元の皆さんはくじけずに復興に向けて日々頑張っています。3.11から約4年半が経過し、福島の実情を目にする機会も減ってきていますが、今だからこそ遊びに行ってみてください。上野駅から新幹線で約1時間半、片道8,540円と気軽に行けるので!

 

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子供たちの未来のためにも、我々ジモコロはこれからも福島を応援していきたいと思います!

 

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