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ハマったら抜け出せない! 最恐ホラーコミック3選

『青野くんに触りたいから死にたい/椎名うみ』

青野くんに触りたいから死にたい(1) (アフタヌーンコミックス)

Kindleで購読可能

 

「ホラーは映画だけではありません。こちらのマンガは“好きな人が死んじゃったけど会いたいから、自分も死にたいと思っちゃう主人公”がかわいい。絵のタッチもさわやかでいいですね」

「な〜んだ、ラブコメじゃないですか(笑)。これなら大丈夫そうだ」

「ところがちゃんと怖いんですよ。奇をてらったような怖さではなく、作者から自然と滲み出るような得体の知れない怖さ。読みながら思わず『このストーリーでこのページ必要!?』と声が出てしまいましたよ」

「え? えっ……?」

「もちろんラブコメパートはちゃんとおもしろくて、揺さぶられているうちにどんどん引き込まれて行って、もう抜け出せなくなります。1ページ目のセリフは『初めて男の子と喋っちゃった… わたし彼氏ができちゃうのかもしれない!!』なんですが、誰がその後の展開を予想できたか、と」

「ちょっと気になってきたな……」

 

『ROUTE END/中川海二』

ROUTE END 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

Kindleで購読可能

 

「続いてはこちら……主人公は特殊清掃業で働く青年・春野です。事件や事故、自殺などの変死現場や、孤独死などで遺体の発見が遅れた場合にダメージを受けた室内の原状回復・原状復旧を手がける仕事です」

もう設定自体がすごいですね

「すごいのは、設定だけじゃないですよ! 春野は、ある猟奇的殺人事件に巻き込まれるんですが、次から次へと飛び出す衝撃的事実たち。そしてカタルシス」

「懸念材料としては、グロ要素が強そうってことですね。グロも苦手なので」

「確かにグロ描写はありますが、それだけで食わず嫌いするのはもったいない。この引き込まれる感覚を味わってほしいんです。ストーリーや心理描写も見事なので」

 

『後遺症ラジオ/中山昌亮』

後遺症ラジオ(1) (シリウスコミックス)

Kindleで購読可能

 

「コミック部門のラストはこちら……」

「え? ラジオ? 『波よ聞いてくれ』的な……?」

「…………このマンガは、悪夢ですね。コミックの形をした悪夢

「確かに表紙から怖い。夢に出そう」

「本気で怖いんで、寝る前に読むのはあまりおすすめしませんね。コミック自体は短編集なんですが、読み進めていくとつながりが浮かび上がってくる構成です。主人公たちが怪異と出会っても絶叫して終わりではなく、そのときの思考が言語化される……その後味の悪さがなんともいえません。そして……」

「そして?」

「5巻のラストにある実録漫画は、もしかしたら読んではいけない話なのかもしれません……少なくとも、寝る前には……くっくっく……」

 

一度脳裏に焼きついたら離れない! 最恐ホラー小説3選

『黒い家/貴志祐介』

黒い家 (角川ホラー文庫)

Kindleで購読可能

 

「この作品、個人的にはホラー小説のレジェンドだと思っています。主人公は、生命保険会社で働いてるんですが、ある日、顧客に呼び出され家に赴くと、子どもの首吊り死体の第一発見者になってしまう」

「いきなり先を知りたくなる展開ですね」

「顧客は死亡保険金を請求してくるんですが、その不審な態度に他殺を確信した主人公は、独自調査に乗り出して……」

「話だけ聞いてるとホラー要素はあまり感じませんね。サスペンス?」

「ただ、調査を進める先で、とんでもない悪夢が待ち受けています。この恐ろしさを表現できる形容詞が、ぼくはまだ見つけられていません。あとこの本には“この世で一番怖い詩”が含まれていると思います。劇薬指定されてもおかしくない」

 

『メドゥサ、鏡をごらん/井上夢人』

メドゥサ、鏡をごらん (講談社文庫)

Kindleで購読可能

 

「続いてはこちらです……あぁぁぁ…………」

「ど、どうしたんですか?」

「怖い! 怖い! 怖い! 怖い! 怖い! 怖い! 怖い! 怖い! 怖い! 怖い! 怖い! 怖い!」

「きゃーーーー!!!!」

「思い出すだけでも怖いんです……」

「呪われちゃったのかと思った」

「物語は、作家がコンクリートを塗り固めて絶命していたところから始まります。傍には、自筆で『メドゥサを見た』というメモ。娘と婚約者は事件の真相を明らかにするために、作家が死ぬ直前に書いていた原稿を探し始める。でも……」

「で、でも?」

「……秘密です。ひとつだけ言えるのは、わたしのなかで“ページをめくりたくない小説ランキング”において、堂々のチャンピオンだということです」

 

『ユージニア/恩田陸』

ユージニア (角川文庫)

Kindleで購読可能

 

「最後は、こちら……」

「え、恩田陸さんって『蜜蜂と遠雷』の? あれは青春群像小説でしたが」

「恩田陸さんはホラーもすごいんですよ。ぼくは個人的に『意図がわからない』『淡々とした』恐怖に惹かれる傾向が強いのですが、この一冊は最たる例ですね」

「ストーリーはどんな感じなんでしょう?」

「北陸の名士を襲った大量毒殺事件。現場に残された、詩のような一通の手紙。事件は混迷を極め、捜査は進まない。しかし、事件から約3ヶ月後、ある男が自殺した。『事件の犯人は自分だ』と遺書を残して」

「解決じゃん」

「いいえ、それから数十年後、事件の真実を生き残った関係者たちが語り出します。ここだけの話、書籍のデザインにまでギミックが行き届いていて、さすがとしかいえません」

「え? どういうことですか?」

「読めばわかりますよ……くっくっく……」

 

最恐ホラー短編YouTube動画3選

『Horror Short Film“The Dollmaker”』

「最後にYouTubeでさくっと観られる短編動画をいくつかご紹介しましょうか。まずはこちらです」

「あれ? 日本語字幕は出ないんですか?」

「YouTubeの機能で字幕をつけて、日本語で自動翻訳する設定をすれば充分理解できると思います。ストーリーとしては、言うなれば海外版の『世にも奇妙な物語』といったところでしょうか。かなり怖いですが、どうか最後まで見届けてください」

 

『Pictured – Short horror』

「こちらは本当に尺が短いですよ。わずか3分21秒。しかも自主制作なんです」

「自主制作?」

「監督のデヴィット・F・サンドバーグが自宅で撮影した自主制作作品です。出演している女優は、監督の奥さん。セリフもほとんどないのですが、アイデアがふんだんに盛り込まれている作品ですね」

3分21秒なら耐えられるかも……!

「ちなみに、デヴィット・F・サンドバーグは自宅でホラー短編をつくりまくっていたところ、『Lights Out』という作品の評判が良すぎて、そのままハリウッドで長編デビューしてしまったというホラー界のスターなのです……」

 

『The Whistle – A horror short film by Bäppel』

「最後はこちら!」

「またサムネイルから怖いタイプのやつ」

「こちらは徹底的に『音』にこだわった作品です。ホラーの良さって、6割は『音』と言えますが、これは音が命のホラーです。ぜひ高音質のヘッドホンで視聴してほしいです」

 

まとめ

「ありがとうございました! 解説を聞いてるだけで怖いものもあったんですが、『ホラー苦手でもこれは見れそう』というのもありました。ぜひ見てみます!」

「そもそもホラーって“怖ければ怖いほど良作”というわけではないんです。だってカレーも“辛ければ辛いほどおいしい”わけではないでしょ? 初心者でホラーが苦手って人は、最初に激辛カレーを食べちゃったんじゃないかなぁ」

「そもそもの気質として怖いもの苦手ってのはあるとしても、せめて一番辛くないものから見始めたいですね」

「ひとりで観るのが怖ければ、オンラインで友達と同時再生しながら一緒に楽しむとかね。ホラーは、人間の本能を刺激するエンターテインメント……自分に合った作品を見れば絶対共感できるはずですから」

「そうですね。ではまず初心者向けから試したいと思います!」

「ぜひぜひ……ではまたどこかで……くっくっく」

 

いや〜どれもこれもめちゃ怖そうな作品ばかりでしたね! でも、在宅ワークの退屈さとストレスを解消するにはとっても良さそうです!

みなさんもぜひホラー作品を楽しんでくださいね!

 

ではさようなら~!

 

……!

 

(おわり)