ここからは『マジック』を作っている会社、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト日本事業部の金子さんにお話をうかがいます。

 

金子真実

ウィザーズ・オブ・ザ・コーストのコミュニティ・マネージャー

『マジック:ザ・ギャザリング』のプロとして海外を渡り歩いたこともあるすごい人。大会の公式放送などで商品紹介やプレゼントをくれる人としても有名。

マジック:ザ・ギャザリングの歴史


「よろしくお願いします! まず歴史的な話を聞きたいんですけど、そもそも『マジック:ザ・ギャザリング』っていつ作られたんですか?」

「1993年に数学者のリチャード・ガーフィールドが作ってアメリカで発表しました。それまでウィザーズ・オブ・ザ・コーストはしがないテーブルトークRPG製作会社でしたが、これで一気に大きくなったんです」

※テーブルトークRPG=ゲーム機を使わずに紙やペン、サイコロなどの道具とプレイヤー同士の会話で物語を作る遊び。ゲームごとのルールブックに従って遊ぶ。

「最初からいきなり、今のような形のカードゲームだったんですか?」

「いえ、最初は紙に効果が書いてあるだけの、簡単なカードを作って、仲間内で遊んでたようです」
「中学生が放課後にやりそうなことですが、それがものすごいレベルの作品だったから、こんなに広まったんですね」

「まさにそうですね。特に“すべてのプレイヤーが同じカードで遊ぶ必要はない”とか、“プレイヤーは自分が使うカードを自分で選べる”という思いつきは、革新的なものでした」

 

最初のテスター用カード

テストプレイヤーたちは試行錯誤しながらプレイし、余ったカードをトレードして、より強いデッキの構築に熱中した

 

 

「テスターたちが熱中する姿を見て、製品化する際に、カードをランダム配布するブースターパックという考えを思いついたんだそうです」

「その考えがすごい。本人はここまで売れることを確信してたんですか?

「いえ、まさかこんなに売れるとは思っていなかったようで、びっくりしたみたいです。現在では11の言語で発売されていて、70以上の国で遊ばれていますね」

「日本ではいつ発売されたんでしょうか?」

 

『マジック』初の日本語版のカードとして発売した『基本セット第4版』

 

「1996年ですね。アメリカで爆発的人気になったため、多言語版が発売になりまして。日本語版も作られました」
「1996年というと、プレイステーション(94年末)なんかでポリゴンが当たり前になってきた時代ですよね。つまりデジタルのゲームが人気絶頂だったと思うんですけども、なぜ、アナログなカードゲームの人気が出たのでしょう?」

「ゲームそのものがおもしろかった、というのはもちろんあります。また、その後日本で流行った要因としては、コロコロコミックで連載していた『デュエルマスターズ』存在もあるでしょうね。僕もまさにこの世代です」

 

デュエル・マスターズ(1) (てんとう虫コミックス)

デュエルマスターズ

コロコロコミックで連載されたカードバトル漫画。主人公がマジック:ザ・ギャザリングで数々の強敵と対決する。シリーズを変え現在も連載中。

 

「僕も読んでました! 学校でもみんな読んでたなぁ」

「じゃあその世代はカードゲームに免疫が作られてるってことなのかな」

 

パソコンでもできる? MTGアリーナとは?


「そういえば、PCで『マジック』が遊べるようになりましたね! その名も『マジック:ザ・ギャザリング アリーナ』!」

「えっ! 今日、石川さんとプレイしたような対戦が、オンラインでやれるの?」

「そうなんです。とっても気軽に遊べるようになりました。今はまだWindows版だけですが、ものすごく手軽に、世界中のプレイヤーと対戦できますよ」

「え、紙は? 紙のカードはまだ続くんですよね? 紙とデジタル、どっちにどんな良い部分があるんでしょう?」

紙のカードはコレクション心をくすぐるし、対戦相手も『マジック』が大好きな……つまり同好の士だから、顔を突き合わせてゲームするのって最高に楽しいです。表情の微妙な変化で『あ、今 良いカード来たな?』って読んだり」

「あるある。一方で、紙だとカードを持ち歩く必要があったり、対戦場所や対戦相手を探さなきゃいけない。デジタルならそういうのは解決できますね」

 

「なんせ世界のプレイヤーと対戦できますからね。また、さっきの石川さんとの対戦で、何回か『あれ、今ってこのカード出せるんだっけ?』ってことがありましたが、そういうのもなくなります」

「おぉ、良いですね! このカードとこのカードを出して~こっちのカードはここに置いて~みたいな煩雑な作業も、機械が勝手にやってくれるんでしょ? メチャ楽じゃないですか」

「しかも基本無料でプレイできます」

「無料?!」

「最初に結構良いデッキを無料でくれるんで、それだけでも十分遊べます。もっと強いデッキにしたいって人は、ゲーム内通貨でパックを買って強化することもできますよ」

「何それメチャ最高じゃん」

「将来的には、『eスポーツ』とかになったりするんですか?」
「今年は結構そういう方針でやっていて、『MTGアリーナ』は賞金の出る大会にも繋がっています」
「もうやるっきゃない! しかも世界大会で数千万という賞金が出たこともあるんですよ!」

「数千万!? でも僕、そもそもカードのイラストがかっこいいと思って興味を持ったからなぁ。紙のカードでコレクションしたいって気持ちがあるかも」

 


「その気持ちもよくわかります。ちなみに紙だとこれが最新のパックですね」

「このパックがあると無条件でワクワクしてしまう~!」

「僕もです……っ! いつまで経ってもワクワクしますよね。開けて中を見たい! 見たい~! あぁっ、もう無理!」

 


ビリッ

「1パック開けちゃいました! あー幸せ」

「作ってる会社の社員ですよね? それでちゃんと働けてるの……?」

「さてさて、どんなカードが入ってるかな?」

「あっ……?」

 

「えーーーーーーーーーーーーーっ!!???」

「え、何!? すごいやつ出た?」

 

「 『ハイドロイド混成体』! めちゃくちゃレアなやつだ!! 『神話レア』っていう、一番レア度が高く最強クラスのカード!!」

「取材用に良いカードを仕込みました?」

「そんなことできませんよ!! 今、目の前で開けるの見てたじゃないですか!」

 

こういう奇跡があるから、やめられないぜ~!

 

「これ僕がもらって帰るってことでいいんですよね?」

「ダメに決まってるでしょ」

「じゃあ読者プレゼントとして差し上げましょう」

「え! いいんですか? じゃあ遠慮なくいただきます。この記事を読んでくれた方にプレゼントだ!」

「僕にくださいよ~~~!!!」

「必死かって」

 

まとめ

というわけで今回は、『マジック:ザ・ギャザリング』を作っているウィザーズ・オブ・ザ・コーストにて、初心者講座や歴史、PCで遊べる『MTGアリーナ』のことを教えてもらいました。

『マジック:ザ・ギャザリング アリーナ』はこちらから無料でダウンロード可能!

 

ゲームの魅力が少しでも伝われば幸いです。

 

なお、『マジック:ザ・ギャザリング』は、5月3日に新セット「灯争大戦」が発売予定。

 

トレーラーもかっこいい!

始めるなら今しかない! みんなもやろう!!

マジック:ザ・ギャザリング 公式HP

 

取材中に金子さんが奇跡の引きを見せた「ハイドロイド混成体」を含むパックを、この記事を読んでいる1名様にプレゼントします!

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