こんにちは、ジモコロ編集部です。

皆さまのおかげで4年目に突入したジモコロですが、「ここらで過去記事にも再びスポットを!」ということで始まった「まとめ記事」第2弾をお届けします。

 

☆第1弾はこちら

 

さて、今回のテーマはスバリ「職人」

いろんなものが均質化していくこの時代にあって、自分の腕一本でモノづくりをする職人はとにかくカッコいい。

その生きざまや課題、そして職人の「これから」を、ジモコロならではの目線で切り取った10本を紹介します!

 

日本のモノづくりってスゴいんです!

技術のムダ遣い!? 職人に8万円するチタン製「コロッケケース」を作ってもらった

 

まずはこちら。ライターのマンスーンさんが、精密板金加工を得意としている海内工業さんの工場へ!

 

「精密技術」という言葉のイメージ通り、機械好きにはたまらない工場内の様子……!!

 

こちらは「2/100mm」の精度(もはやよくわかりません)で作られた金属製の筒。サイズが違う5つの筒がつながって、スムーズに伸び縮みするんです。つまり精度がマジでスゴい。

 

その技術力に惚れこみ、「コロッケケースを作ってほしいんです」とめちゃくちゃなお願いをするマンスーンさんでしたが……

 

なんと作ってくれました。お値段は約8万円。どんな高級コロッケ入れればいいんだ……?

妥協を許さぬ職人技にひたすら感服です。

 

※ちなみに唐突な「コロッケ」の理由ですが、実は「ジモコロ」のコロには「コロッケ」の意味合いもあったんです。ご存知でした?

 

お次はこちら!

 

【職人】日本の鍛冶技術は世界レベル! 新潟燕三条の「モノづくり」がヤバすぎる

 

ジモコロ編集長の柿次郎が新潟県燕三条(つばめさんじょう)のモノづくり現場を回ってきました。

そのスゴさを伝えるため、「スマホ時代の文章量は抑えるべき説」をガン無視して詰め込んだ盛りだくさんの記事!

 

とりわけ、金属加工技術を世界に誇る「MGNET」さんはインパクト大です。

 

鉄の塊の出っ張りがこんなにキレイに収まることあります……? これが0.001mmの金属加工の世界!

 

最初はこんな顔だった編集長も、

 

燕三条のモノづくり現場を見て回ったあとは、ご覧の通り精悍な顔つきに。

 

太古から伝わる究極の職人技術

【神仕事】伝説の鉄づくり!奥出雲「たたら製鉄」の奥深すぎる世界

 

そして、日本の製鉄文化のルーツ! スタジオジブリの映画『もののけ姫』にも出てくる「たたら製鉄」の現場を、ライターの根岸達朗さんが取材しました。

 

ヤマタノオロチ伝説でも有名な島根県の奥出雲(おくいずも)。写真は現存する唯一の高殿(製鉄作業を行う建物)だそうです。

 

往年の製鉄技術を説明してくださったのは、「菅谷たたら」施設長の朝日光男さん。

 

たたらと共に時を刻んできた奥出雲という土地、門外不出の技術、地元住民の想い……すべてが絡み合ったローカルの魅力をめいっぱい感じられる記事です。

 

「職人問題」の根っことは?

職人の「後継者不足」が叫ばれる日本。職人の持つ無二の技術も、継ぐ人がいなければ途絶えてしまいます。その損失は、あまりに大きい。

 

そうした「職人問題」にスポットを当てた記事を紹介します。

 

「若きアメ細工職人」と「引退を余儀なくされた鋏職人」の物語

 

話の発端は、若きアメ細工職人・手塚新理さん。この美しいアメ細工を作るには「握り鋏」が欠かせません。そしてその鋏作りもまた、伝統技術のなせる技。

 

燕三条の最後の鋏職人・外山健さん。写真に写っている額縁、右側の「ただの鉄」から徐々に左側のキレイな鋏になっていく過程がお分かりいただけますか? これぞ、外山さんが長年の経験で培った技術です。

しかし……なんと外山さん、取材直前にドクターストップがかかり、医者から「二度と鋏を打ってはいけません」と忠告されたというんです。

 

素晴らしい技術も、時代の流れと共に失われていく……。

「技術の継承には10年はかかるけど、10年後じゃ俺の体が持たない。そんな中途半端に弟子を取るなんて無責任なこともできない」という外山さんの言葉が印象的でした。

 

さて、外山さんが鋏を打てなくなり、握り鋏の技術はこの世から消えてしまった……と思いきや、物語にはまだ続きがありました。

 

「日本最後の一人になったから弟子を取った」燕三条から播州へ受け継がれた職人魂

 

前回の記事から約1年後。アメ細工職人の手塚さんがSNSを通じて出会ったのは、兵庫県在住の鋏職人・水池長弥(みずいけ・おさみ)さん。

 

なんと燕三条の外山さんが打った鋏を参考に、水池さんがアメ細工用の鋏を作ってくれているというのです。まさに奇跡のバトンパス!

 

そんな水池さんですが、「手打ち」の技術で鋏を作ることのできる「最後の鋏職人」

その技術を絶やすことのないよう、お弟子さんを採られたそうなんです。

 

並んで作業する、師匠と弟子の姿。

「もっと職人が儲かって、子どもからカッコいいって憧れられるような仕事になってほしい!」という手塚さんの言葉が刺さります。

 

さて、前の2つの記事でも紹介したように、後継者不足、時代と価値観の変化、儲からない……などの色々な問題点がある職人文化。

 

でも一番の課題は、技術の価値やその危機的状況が「知られていない」ことです。

 

そんな状況を改善するために動いているのは、職人の家に生まれながらデザイナーの道を選んだ「シーラカンス食堂」の小林新也さん。

 

「職人である以上、クオリティを落としての大量生産はできない。売り方を変えて、価格を上げるのが唯一の解決法」ということで……

 

地元である兵庫県小野市の職人技を「ブランド化」することによって、価値を高める作戦に!

 

ひとくちに「職人文化の問題解決」といっても様々な切り口があるのだなぁと、目を開かされる思いがしました。

 

 

世の中にはいろんな「職人」が!

ここまでは「モノづくり」というフィールドで戦う職人たちを紹介してきました。

でも、世の中にはまだまだいろんな職人がいるんです。

 

【本好き必見】「面白いと感じたら失敗する」校正校閲の職人仕事とは?

 

話を伺ったのは、校正・校閲の専門会社「鴎来堂(おうらいどう)」の柳下恭平さん。

「校正職人」と呼ぶべきでしょうか。

 

「校正・校閲には客観性が大切だから、ゲラ(原稿)を読んで面白く感じたらこの仕事は失敗」と語りながらも、「本が好きだからこそ、小さな誤植ひとつで没入感を途切れさせたくない」という愛のある言葉。

本を100%楽しめるのはこうした細やかな仕事あってこそなんですね。

 

本を読んでるうちに身についたという、柳下さんの「片手ページめくり」もスゴい! まさに本のために生まれてきた人です。

 

「AIには絶対真似できない仕事だ」印刷界のレジェンド・熊倉桂三が語る職人論

 

お次は「印刷職人」。ジモコロのフリーペーパーの印刷をお願いしている山田写真製版所へお邪魔しました。

 

「紙の印刷物は、五感でその良さを味わうもの。『人間の目』と『感性』が必要である以上、機械やAIには絶対に真似できない仕事」と語るのは、山田写真製版所のプリンティング・ディレクター、熊倉桂三(かつみ)さん。

 

高級印刷を謳うからこその、どこまでいっても妥協できないプライド……! どんな仕事にも通じる山田さんのこだわりをぜひご覧ください。超カッコいいです。

 

まだまだいます! 異色の「職人」たち

最後に、「なにこれ!?」と思わず口をついて出るような異色の職人を2人紹介します。

 

家ですね。というか、廃墟ですね。でも、引きで撮ると……

 

あれ?サイズ感がおかしくない?? そう、この廃墟、1/12スケールの「ドールハウス」なんです。

 

この作品を作ったのは「廃墟ドールハウス職人」の遠藤大樹さん。作品からも伝わる通り、並々ならぬ美学とこだわりの人です。

 

 

最後に紹介する職人さんに至っては、仕事じゃなくて趣味で職人をやってらっしゃいます。

というか家にどでかい大仏がある。なんだこれ…?

 

自宅に大仏とか天守閣とか水車とかを作っているのは、こちらの吉澤眞治さん。

この超ハイクオリティな日曜大工を見たあとだと、中途半端な覚悟で「クリエイティブ」とかいう言葉を使えなくなりますね。

 

こういった作品を作り始めたきっかけは「孫のため」という……最高のおじいちゃんじゃないですか。トガりすぎだけど。

 

 

以上、「職人」テーマのまとめ記事をお送りしました。いかがでしたか?

 

磨き上げた技や己の生きざまを語る職人たちの言葉には、まぎれもない「真実」が宿っている……今回、記事をまとめていてそう感じました。素直にカッコいいんですよね。

 

日本の誇るそんなカッコいい職人文化。長く永く継承されるものであってほしい。そのために少しでもジモコロが役に立てていれば、メディア冥利(?)に尽きます。

 

それでは次回のまとめ記事でお会いしましょう~!