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毎月やりたい気持ちはありつつ一回やるごとに間があいてしまうことでおなじみの当シリーズ、第4回の教材は「プレデター」です。

 

プレデター(1987 / 主演:アーノルド・シュワルツェネッガー)

シュワちゃんがジャングルで未知の宇宙戦闘民族に遭遇して戦う話

 

昨今の影響で在宅勤務が中心の弊社で、二人の出社日がたまたま重なった日に見る。それが私とギャラクシーの仕事。

 

【見人(みんちゅ)の紹介】

筆者。オンラインマスコミ試写だけで新作映画を渡り歩く男

プレデター好き。会社で昼食を食べながら映画を見る男

 

プレデター(字幕版)

 

「こんにちは〜」

「在宅勤務が多いから、対面も久々ですね」

「最近映画見てますか?」

「相変わらず赤ちゃん育児に精を出してるのでなかなか映画館には行けないですね。それでいうと『年間200本見てる』という触れ込みはもう釣りでしかないです」

「やっぱりそうですよね」

「あと時間が空いたらだいたいモンスターハンターRISEやってますので」

「ほんとですか。僕もやってます。どこまで行きました?」

「全部のクエストを消化して大剣、弓、ガンランス、ライトボウガンの現環境での最強スキル積んだ装備を作りきったので、今は良い護石を錬金するためにラスボスを周回して素材を集めてます」

「すごい。今度一緒にやりましょうよ」

「いや、いいです。人のクエストの手伝いほど無駄なことって無いので…」

「ひどい。それはさておき、今日は『プレデター』です。見たことないんですか?」

「子どもの頃に金曜ロードショーとかでやってたのを断片的に見たぐらいで、通してしっかり見たことは無いですね」

「なるほど。じゃあある程度は知ってるんですね」

「『強い』『素顔はきもい』『最後泥だらけ』ぐらいの要素しか分からないですね」

「もう見たと一緒ですね。早速見ましょ!」

 

■「プレデター」あらすじ・起

鋼の肉体を持つ優秀な指揮官シュワちゃん少佐は、ゲリラ部隊に捕獲された政府の要人を救出するため、CIAに招集される。クセがすごいエリートチームを率いて密林地帯に出動するが、墜落したヘリの残骸や皮膚をはがされて木に逆さ吊りにされた特殊部隊の死体を発見し、ただならぬ雰囲気に包まれる…

「前回のロッキーでスタローン、今回はシュワちゃん。80年代の全盛期だったスターはやっぱり良いですね」

「シュワちゃんも若くて凛々しいですね。登場した瞬間からこの男はやってくれるなって感じがすごいです」

「シュワちゃんを呼びつけた男は、前回の『ロッキー』で戦ったアポロを演じた人なんですよね」

「ほんとだ!2大筋肉スターの間を上手いこと立ち回るなんて、勝俣クンみたいなしたたかさがありますね」

「確かに。で、僕この二人の挨拶めちゃ好きなんですよね…

 

ガシッ、ググググ……

 

「すげえ!!!!カッコいい!!!!」

「空中で腕相撲するかのごとく、力をぶつけ合うんですよ!これが強さだけじゃなく、『共に修羅場をくぐり抜けてきた戦友』ってところを表現してると思うんです」

「すでに最高ですね。シュワちゃんのための映画だ…」

「そんで、ゲリラに誘拐された要人を救出するために駆り出されるんです」

「あ、最初っから退治しにいく話じゃないんですね」

「そうそう、当初の目的を遂行しようとしたら謎の生命体に襲われる…というプロットなんです」

「あ〜、この皮膚剥がされて木に逆さ吊りになってる画、小さいころに見て怖かったな〜」

「ここやっぱり人々の記憶に残る有名なとこで、プレデターの残虐さが際立ってますよね…」

 

 

■「プレデター」あらすじ・承

シュワちゃん達はゲリラのアジトを必要以上にぶち壊して殲滅させるが、現場の状況が情報と違っていた。本当の目的は総攻撃作戦を控えたゲリラを殲滅させ機密資料を持ち帰るためで、要人などはじめから存在していなかった。疑念に満ちたシュワちゃんだったが、ゲリラの女性兵士を道案内役として拘束し、脱出ポイントへ向かう。しかしその様子をサーモグラフィーで監視する何者かの姿が…。

「ほんでゲリラの村に潜入して、一気にぶち壊します」

「割と一気に話進みますね。テンポが良いや」

 

 

ドカーーーン!!!!

 

ズドドドドド!!!

 

バババババ!!!!

 

ドォォーーーン!!!!

 

ビューーーーーン!!!!

 

ズダダダダダダ!!!

 

ドドドドド!!!!

 

ドカーーーン!!!!

 

バーーーン!!!!

 

ドゴーーーン!!!!

 

「やりすぎ!!!」

「こんな必要以上にやることないでしょ!っていう火薬の量!」

「面白すぎますねここ。絶対こんなに爆発させなくていい」

「80年代のハリウッド映画の盛り上がりを表現してるかのようなド派手さと、こんだけ強いエリートチームであることをアピールした後にプレデターが一人ひとり殺していくことで、その驚異の戦闘力を浮き彫りにさせる重要なシーンです!」

「人質がいるんじゃないんですか?全員焼き払っちゃってますけど」

「実は要人はいなくて、アメリカに攻め込もうとしてたゲリラを先んじて殲滅して機密資料を入手するというのが本当の目的だったんですよね」

「その機密資料もさっきの爆撃で全部燃えちゃってると思いますけど、そんな細かいことはどうでもいいですね」

「密林に入ってプレデターに襲われるのが本筋だから要人を救出するミッションのままでいいですしね」

「ド派手な殲滅作戦が面白すぎてあんまり頭に入ってこなかったな」

 

「あ!見られてる!」

「このド迫力爆撃で目をつけられちゃうんですね…強い奴おるやんけ、と」

「プレデターって惑星を渡り歩いて強い奴と戦う根っからの戦闘民族なんですよね?」

「そうなんです。今作ではそれは言及されず正体不明の敵として描かれてますが、それもまた潔くて良い」

「80年代当時のクリーチャーやモンスターって、ひたすら暴れまわって攻撃するイメージがあるんですけど、プレデターは高度な科学技術で作られた兵器を装備しながら野蛮に狩猟する感じがめちゃめちゃ斬新ですね」

「ほんとそうなんですよ。ただでさえ基礎戦闘力が高いのに、未知の兵器まで持ってて、勝ち目が無いという…」

「まさに立ち向かえるのはシュワちゃんぐらいですね」

 

 

■「プレデター」あらすじ・転

超戦闘民族プレデターがいよいよ現れ、密林に紛れて一人ひとりエリートチーム隊員を虐殺していく。なす術もなく殺られていく姿に「こいつを倒さないと生きて帰れない」と悟るシュワちゃん。そんなシュワちゃんもついに凶弾に倒れ傷つき、滝から転げ落ち、泥だらけになって這いずり回る絶体絶命のピンチ!しかしプレデターの視界は体温から発する赤外線を感知していたことに気づき、ギリギリのところで難を逃れるシュワちゃん。決着を付けなければ…。

ドドドドド!!

 

「ま〜た派手に撃ってら」

「逃げ込んだプレデターのいる方向に集中砲火するシーン、闇雲すぎて最高ですね。無駄撃ちすぎる」

「いや〜この一人ひとり殺していく緊張感はやっぱたまんないですね。正体不明過ぎるし…」

 

「ウワッ!!初めてちゃんと姿が見えた!!改めて見るとめちゃめちゃカッコイイ〜」

「そしてこの戦闘力も惚れ惚れする!!!」

「光学迷彩で姿を消すって、人間の敵う相手じゃないですしね」

「あ、ネイティブ・アメリカンな隊員がプレデターを食い止めようとしてますよ」

「こいつ、他の隊員とは雰囲気も違うしプレデターの襲撃を最初に察知するしで、かなり只者じゃない感が出てて良いんですよね」

「マチェーテ(蛮刀)一本で自分に傷をつけて鼓舞している…これは一矢報いそうな気がするぞ!」

 

 

\ウワァー/

 

 

「アレ?」

「はい」

「声が聞こえただけで死んじゃった…戦闘シーンも無く…」

「しかも頭蓋骨をトロフィーにされちゃいました」

「かわいそっ!」

 

「いよいよヤバいですね…。一切人間の言葉を話さずに淡々と人間を襲うその姿は本当に恐怖だ…」

「意外にもシュワちゃんがダメージを食らってかなりピンチに陥るんですよね」

「シュワちゃん最強のイメージがあって全く傷ついた記憶が無いからちょっと斬新だな〜それだけ絶望感も増してきますね」

「この時代って『ランボー』にせよ『コマンドー』にせよ、無敵のマッチョヒーローが悪い奴らを蹴散らしていく!っていう話が多かったんで、『あのシュワルツネッガーがこんなに追い詰められてる!?』ってのがすごい新鮮で、恐怖でした」

「そして偶然泥だらけになることでその目から逃れて、難を逃れて決戦の準備をします」

「泥だらけのまま逃げればよかったのでは」

「それだとプレデターがさらに人の多い所に行ったらヤバいし、何より映画的に締まらないのでここで食い止めなきゃ、というシュワちゃんの正義感あってこそ…」

 

 

■「プレデター」あらすじ・結

武器を失い、天然素材の罠を張り巡らせてプレデターを迎え撃つシュワちゃん。果たして決着はつくのであろうか…?

「シュワちゃん、ドロドロですね」

「ここからほぼしゃべらなくなりますね」

「断片的に見た記憶で、そこだけやけに覚えてます。全然しゃべらんな〜って」

「でもこの緊張感は半端じゃないですよ…」

「仰る通り…。一人ひとり化学兵器でぶっ殺していく中盤と、一対一で対峙する肉弾戦、展開に応じてプレデターの戦い方も変わっていくのも飽きさせない配慮があっていいな〜」

 

「そして素顔だ〜〜〜〜!!!やべ〜!」

 

「これこれこれ〜〜〜〜!!!!!」

「オランウータンのTシャツ!」

「この素顔って、『プレデターが強者と認めた者』にしか見せない素顔なんですよ。見せたということは、シュワちゃんは認められたということなんですよね。劇中で説明はされないんですけど…」

「武に生きる民族ですね…」

「そして何やかんやでシュワちゃん勝った!!!!」

「そして、この後のプレデターの行動がすごいんですよね」

 

ドォーーーーーーーーーン!!

 

「自爆した!!!なぜ!!!!」

プレデターって生粋の戦闘民族なんで、『負けること=死』と同義なんです。だから半端に生かされるぐらいなら盛大に散る。そしてそれを『戦うこと』の次に名誉なことと定めているんです」

「ほへ〜。武士みたいな価値観。カッコイイ…。爆発の規模がありえなさすぎるけど…」

「終わった…。いかがでしたか?」

「いや〜プレデターがカッコよすぎますね。ただただ戦うことだけを追求したその価値観も惚れ惚れするし、そこに立ち向かって勝ったシュワちゃんも最高」

「そうなんですよね」

動機や目的や理由、なぜここまで戦いにこだわるのか?この兵器はどうやって作られたのか?そして何故地球にやってきたのか?この辺の説明を全部すっ飛ばしてただただ『戦闘力』だけで恐怖と威圧を与えて映画を成立させるって本当にすごいことだよな〜って思いました」

「最近のヒット映画って起承転結をしっかり練り上げて『脅威が存在する理由』をちゃんと描いてるものが多い傾向にありますけど、このプレデターの何の説明も無さ…。そして対峙する最強の人間。この2つの要素だけで大ヒットに導いてその後の世界観が構築されていくのはアッパレとしか言いようが無い…」

「いや〜映画って本当に面白いですね!それではまた」

「映画のような夢を…」

 

 

「サヨナラ、サヨナラ、……サヨナラ」

 

 

THE END

 

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