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奇跡的に開催された第二回の教材は「AKIRA」です。Netflixで見れました(撮影時)。

 

AKIRA(1988 / 原作:大友克洋)

2019年をのネオ東京を舞台に、超能力者を軸に様々な思惑が入り乱れるSFアニメ

 

またしても勤務時間内に見ました。今回はピザとコーラ付きで…。

 

【見人(みんちゅ)の紹介】

筆者。背中に「映画大好き」という刺青を彫っている

AKIRA好き。背中に堕天使の羽の刺青を彫っている

 

AKIRA 〈Blu-ray〉

 

「第二回、あってよかったです。絶対に無いと思ってました」

「割と人気あったみたいですよ」

「それは嬉しい」

「今日はAKIRAですけど…どのくらい知ってますか?」

「『バイクのドリフトがカッコいい』『あの赤い服の人はアキラじゃない』『東京オリンピック中止だ中止』『さんをつけろよデコ助野郎』ぐらいですね。ストーリーは全く知らないです」

「きれいなインターネットの表面の知識ですね」

「何故か『見る』という選択肢そのものが頭に無くこれまで過ごしてきました」

「AKIRAは普遍的に面白いはずなので、気に入ってもらえると思いますよ」

 

「しかも今回はピザにコーラまでついてるなんて…」

「せっかくなんでね…」

 

「でもこのピーナッツ3粒はいったい…?」

それはあとで分かります。そして、今回もAKIRAのネタバレが完全に含まれています

 

■「AKIRA」あらすじ・起

1988年に起こった謎の大爆発により引き起こされた第三次世界大戦から復興の道をたどる2019年のネオ東京では、反政府デモ隊と警察が争っていた。そんな中、金田が率いる暴走族のメンバー・鉄雄がハイウェイで爆走中に突然白髪の少年と衝突する。負傷した鉄雄は、それをきっかけに超能力を得てしまう…

 

ーー「ピーナッツ、3粒くれ」

 

はやっ。もうピーナッツ出た」

「ピーナッツの役目はこれで終わりです」

「労力に見合ってない」

「ーーやっぱりアニメ作画に80年代的な感じがありますけど、なんか古臭くないというか、時代に左右されない唯一無二な雰囲気がありますね」

「そうなんですよ。この時期はサムライトルーパーとか魔神英雄伝ワタルみたいな、いわゆるアニメアニメした絵が一般的でした。そんな時代に、突然“見たこともないレベルの作画”が現れた時の衝撃ったら……」

「それにしても、タイトルクレジットからかなり目まぐるしく展開してツカミはバッチリですね…」

「オープニング10分がかなり好きなんですよね。緻密に描き込まれたネオ東京の街並み、臨場感たっぷりのバイクアクション、尾を引くテールランプの軌跡、そしてそれまでのアニメの常識を打ち破った民族音楽みたいなかっこいいテーマ曲……これから何かが起こるという期待と不安がこの10分に濃縮されてるんです」

 

「ハイウェイのバイクアクションやべ〜っすね。ん…?そしてこの流れ…もしや…」

「来ます来ます」

「早くない?来るの早くない?」

 

ギャギャギャギャギャギャ!!!

 

「か!」

「ピザ食う手が止まっちゃった…かっこよすぎて」

「世界中のアニメでこのシーンのオマージュやってるんですけど、やっぱり本家が一番カッコイイですね…」

「最高すぎ。そしてこのタカシのビジュアル素晴らしいですね。見た目子供なのにおじいちゃんみたいにしわしわ。意味ありげすぎる…」

「こいつが超能力を持っていて、鉄雄とぶつかったことがきっかけで鉄雄にも能力が開花するんです…」

「あ、なるほど…で、この鉄雄が『AKIRA』になるんですかね?

「果たして…」

 

「でね、この雑踏のシーンが当時かなり話題になったんですよ」

「そうなんですか?」

「多数のモブキャラがそれぞれ喋ってたりポテチ食ってたりしてちゃんと動いているんです。当時はデジタルじゃないですから、“動いてる人数分セル画を重ねて撮影されてる”わけです。なので、めちゃめちゃ分厚くなったらしいです」

「普段ほとんどアニメ見ないので、『これくらいまああるだろ』って思っちゃいました。てへ」

「それを1988年の時点でやってのけてるってことは、すごいってことなんです!」

 

■「AKIRA」あらすじ・承

気弱で金田の背中を追い続けていた鉄雄は、事故をきっかけに手に入れたサイキックパワーに溺れて次第に自我が肥大化していく。一方 金田は反政府ゲリラ組織のメンバーケイとともに30年前の大爆発の真相を解き明かすついでに政府にとらわれて実験台になっている鉄雄を救おうとするが、マブダチのチームメンバーを殺したことで鉄雄の始末をつけることを決意する…

 

「病院を抜け出した鉄雄がガールフレンドのカオリと一緒に逃げてるところで、敵対する暴走族の相手に目をつけられちゃうんですけど、ここがまたスゴイんですよ」

 

ーービリビリッ!バキッ!

 

「カオリの服がやぶかれておっぱい丸出しになって、顔面殴られちゃった。ひどい!!」

「女子キャラがこんなにガッツリ顔面殴られることってあります!?ただ、このカオリが倒れるとこの作画も超一流なんですよね」

「どこがですか?」

 

「乳首がね、ちゃんと、こうなるんですよ」

「???」

前のめりに倒れる時のG(重力)で、おっぱいが外側に開くんです

「ほんとですか?巻き戻して見てみましょう」

 

 

ーービリビリッ!バキッ!

 

「ほら、こうなったでしょ?」

「う〜ん、ちょっとよく分からなかったな…。もう一回巻き戻させてください」

 

 

ーービリビリッ!バキッ!

 

「ほらね?」

「乳首がどうなるんでしたっけ?」

 

「いや、だから、こうです

「キモいんで先いっていいですか?」

「そうですね」

 

「この辺からさらに鉄雄の能力が強まっていきますね…馬鹿野郎…偶然身につけただけに過ぎないのに、力に溺れていってる…なんと愚かな…」

「次第に幻覚も見始めるんですが、なかなかキモいんですよね」

「うわ、臓物が!さっきのギャラクシーさんと同じぐらいキモい!」

「そこと比較しないで…。そして、またタカシみたいな超能力をもったシワシワの子供が出てくるんですけど、少し前の『有吉の壁』っていうTV番組でシソンヌがこのシーンをパロディしてて、AKIRAクラスタはかなり反応してました」

「へ〜。有吉の壁見てたけど…あっ!」

 

ーー「夢を…見たの」

 

「これ、出社前のまさに今日、録画してたやつで見ました!!気絶姫キヨコ!!!」

「すごい偶然!」

「うわこれAKIRAネタだったのか…。放送では誰一人、シソンヌすらAKIRAの説明をしてなくて、普通に面白いキャラだな〜でも長谷川さんのコスプレがやけにノイズだな〜って思ってたところだったんですよ!あれも敷島大佐のパロディだったのか…」

「学びのある一日ですね」

 

■「AKIRA」あらすじ・転

鉄雄のチカラはとどまることを知らず、軍隊の攻撃も退ける。一方 金田は政府の攻撃をかいくぐり鉄雄を追いかけてオリンピック会場に向かうが、鉄雄は会場地下に厳重カプセル保存されていたアキラの封印を解く。しかしその中にあったものは…。そして宇宙からの衛星兵器「SOL」によるレーザー照射で鉄雄は右腕を失い、逃走する

 

「言うてる間にも〜ここから目が離せなくなってきましたね」

「ここの戦闘描写もかなり凄くて好きです」

「それにしてもこの鉄雄のチカラに溺れるさま、僕が好きな映画『クロニクル』と全く同じですね」

「そうなんですか?」

「高校生3人組がひょんなことから超能力を得て、最初のうちは3人でそれを利用していたずらとかする程度だったんですけど、いじめられっ子がまさにこの鉄雄みたいにチカラに溺れて暴走してしまうんです。撮影方法もかなり画期的なので、併せて見てみてください」

「見てみよっ」

 

「言うてる間にアキラの封印が解かれる…あ、でもこれ、『アキラはいない』っていうアレなんですかね!?!??

「果たして…!??」

「なるほど、いないんじゃなくて、バラバラにされてパーツごとに保存されてるという結果か…つまり…?」

「つまり…?」

「鉄雄がこのアキラの部位を自分に取り込んで、自分自身がアキラと融合する…!?」

「なるほど…」

「この反応ぜったい違うやつだ」

「そして待ちに待ったあれも来ます!」

「え!?」

 

ーー”さん”をつけろよ デコ助野郎!

 

「か!」

「最高ですねこのセリフ。超名言過ぎるわ…確かに鉄雄はデコ助だし、意味が繋がりました」

金田ってバカだし特殊能力があるわけでもないのに、圧倒的な度胸と責任感から紡がれるカリスマ性で慕われてるんですよね。鉄雄がやらかした粗相も、世話していた自分が落とし前をつけるというこの男らしさ。憧れますわ」

「確かにめちゃめちゃカッコイイですね。鉄雄との関係性も家族同然って感じで長年の付き合いがあることが語られるのに、脅威となってしまった鉄雄を止められるのは自分だけという思いが金田を突き動かしている…!」

 

■「AKIRA」あらすじ・結

鉄雄のチカラは最早コントロール出来ないレベルにまで暴走し、肉と臓物と機械が膨張して巨大な怪物と成り下がってしまう。このままめちゃめちゃになってしまうのかと思いきや、タカシ、キヨコ、マサルらナンバーズに接近した瞬間、ついに破片となって保存されていたアキラが覚醒する―――!

 

「鉄雄、アキラの破片を取り込まずにもうめちゃめちゃに暴走しちゃってますね」

「この怪物の描写も何回見ても新発見があるくらい緻密に描き込まれてますね…」

 

――鉄雄「うわ〜!カオリが死んでいく」

 

「うわ、ここすごい!優しかったころの鉄雄の人格がちょっと戻ってる!そしてカオリが死んでいく過程を肌で体感していくなんて…」

「力に溺れるとこういう悲劇がつきもの…」

「鉄雄〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」

「金田〜〜〜〜〜〜!!」

「キヨコ〜〜〜!!!!マサル〜〜〜!」

「タカシ〜〜〜〜〜〜〜!!!」

「ワッ!!!!!!」

「ア!」

 

 

 

ギューーーーーーーーン

 

 

 

 

「おわった…」

「どうでした?」

「最高に面白いですねこれ。オススメです」

「たぶんみんな知ってます」

「大まかなシナリオ自体はシンプルなんですけど、反政府ゲリラや軍との関わりと、ナンバーズという超能力者達ビジュアルと悲しい宿命、暴走する鉄雄とカリスマ金田の関係性、激しいバトル描写とか、本当に今見てもまったく遜色無いクオリティでしたね。そりゃ今でもパロディされるし、スピルバーグ監督の『レディ・プレイヤー・ワン』でも金田バイク出てくるわって感じです。なんで今まで見なかったのか…」

「喜んでもらえてよかったです」

「映画、面白すぎる…みんなもAKIRA見てください。ここで叫んでた意味がわかるので…」

 

 

THE END

 

 

 

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