初心者向け!これだけはおさえたい入門的名作5選

ハリイ・ケメルマン『九マイルは遠すぎる』

九マイルは遠すぎる (ハヤカワ・ミステリ文庫 19-2)

「九マイルは遠すぎる、まして雨の中ともあれば」という男たちの言葉から、ニッキィ・ウェルト教授は前日起きた殺人事件の真相を暴き出していく。アームチェア・ディテクティブ・ストーリー(推理小説に出てくる探偵の一類型。現場捜査をせず、書斎の肘掛け椅子に座ったまま情報を分析し、居ながらにして難しい事件を解決してしまう探偵のこと)の定番。

 

スティーブ・ハミルトン『解錠師』

解錠師 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

ある出来事から8歳で言葉を失ってしまったマイク。彼にはどんな錠も開けられる才能があった。高校生となったある日、プロの金庫破りの弟子となり、芸術的腕前を持つ解錠師として暗躍していく。犯罪の世界に生きる少年の光と影を描く。

 

レイモンド・チャンドラー『ロング・グッドバイ』

ロング・グッドバイ フィリップ・マーロウ (ハヤカワ・ミステリ文庫)

 

私立探偵のフィリップ・マーロウは、億万長者のテリー・レノックスと知り合う。あり余る富に囲まれながら、どこか暗い影を宿しているレノックス。何度か合ううちに友情が芽生える二人だが、レノックスは妻殺しの容疑をかけられ自殺してしまう。しかしその裏には悲しく奥深い真相があった。

 

トマス・ハリス『羊たちの沈黙』

羊たちの沈黙(上) (新潮文庫)

連続女性誘拐殺人犯が現れる。被害者の皮が剥がれていることから、容疑者は「バッファロウ・ビル」と呼ばれるように。FBIの訓練生クラリス・スターリングは、医学博士ハンニバル・レクターと対面する。彼は患者を次々に殺害し、精神異常犯罪者用の病院に収容されていた。

 

ピーター・ラヴゼイ『偽のデュー警部』

偽のデュー警部 (ハヤカワ・ミステリ文庫 91-1)

歯科医の夫とその愛人は偽名を使い、女優の妻を海へ落として殺すという、完全犯罪の計画を立てモーリタニア号に乗船した。やがて殺人事件が発生し、登場したのは偽の警部だった。

ミステリー好きも唸るおすすめ作品5選

ローリー・リン・ドラモンド『あなたに不利な証拠として』

あなたに不利な証拠として (ハヤカワ・ミステリ文庫)

助けを求める女性のもとへ、警官志望のキャシーが駆けつける。女性の胸にはナイフが刺さっていた。被害女性はレイプ未遂犯の仕業だというが、警官は自作自演だと断定。だがその6年後に、事件は意外な展開を見せる。「傷痕」をはじめ、女性警官を主人公にした10編を収録。

 

皆川博子『死の泉』

死の泉

部隊は第二次大戦下のドイツ。マルガレーテは私生児をみごもり、ナチの施設「レーベンスボルン」の産院に身を置いていた。医師クラウスからの求婚を承諾するも、戦争が激しくなる中、狂気を帯びていく彼の言動におびえるように。そして待っていたのはこの世の地獄だった。

 

霜月蒼『アガサ・クリスティー完全攻略〔決定版〕』

アガサ・クリスティー完全攻略〔決定版〕 (クリスティー文庫)

ミステリの女王、アガサ・クリスティー。膨大な作品を発表しているため、どれから読めばいいのか。有名作以外も読んでみたい。そんな読者の要望に応え、クリスティーの100作を網羅した評論集・ブックガイド。

 

トム・ロブ・スミス『チャイルド44』

チャイルド44 上巻 (新潮文庫)

舞台はソ連、時代はスターリン体制下。国家保安省の捜査官レオ・デミドフは、スパイ容疑者を拘束するが、狡猾な副官の計略で片田舎の民警へ追放されることに。そこで少年少女の惨殺殺人が立て続けに発生する。

 

ウンベルト・エーコ『薔薇の名前』

薔薇の名前〈上〉

中世イタリアの修道院で連続殺人事件が起きた。ウィリアム修道士は、迷宮のような構造をした図書館の中に、事件のカギとなる書物のあることを知る。

大どんでん返しのある作品5選

スティーグ・ラーソン『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』

ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女(上・下合本版) (ハヤカワ・ミステリ文庫)

大物実業家の違法を暴く記事を月刊誌「ミレニアム」で発表したミカエル。だが名誉棄損で有罪となり、ミレニアムから離れることに。そんなとき、大企業グループの前会長ヘンリックから、40年前に孫娘が失踪した事件の調査を頼まれる。その条件は、大物実業家を破滅させる証拠の提供だった。

 

ウィリアム・L. デアンドリア『ホッグ連続殺人』

ホッグ連続殺人 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

ニューヨーク州スパータで、殺人鬼HOGによる連続殺人事件が発生した。HOGは被害者も手口も選ばず、事故や自殺に見せかけ、どんなに不可能な状況でも確実に獲物をしとめる。事件解決のために、天才犯罪研究家ニッコロウ・ベネデッティ教授が乗り出した。

 

アガサ・クリスティー『春にして君を離れ』

春にして君を離れ (クリスティー文庫)

良い夫と子供に恵まれた主婦ジョーン・スカダモア。満ち足りた日々を送っていたが、娘のお見舞いを終えてバグダッドからイギリスへ戻る途中、友人と会話を交わす。その内容がきっかけで、夫婦の愛情や親子関係に疑問を抱くようになる。

 

サラ・ウォーターズ『荊の城』

荊の城 上 (創元推理文庫)

スリ師として生計を立てる孤児の少女スウ。そんな彼女のもとへ詐欺師がやってくる。ある令嬢をだまして結婚し、財産を奪おうという。スウは令嬢に使える侍女になることに。スウはためらいつつも話に乗る。

 

ジェフリー・ディーヴァー『ボーン・コレクター』

ボーン・コレクター 上 (文春文庫)

ケネディ国際空港に降り立ったばかりの男女が姿を消した。発見された男は生き埋めになり、薬指の肉はそぎ落とされ、女ものの指輪がつけられていた。ニューヨーク市警が捜査協力を要請したのは、四肢麻痺の名探偵リンカーン・ライム。熾烈な頭脳戦が始まる。

 

「こんなミステリあり?」と波紋を呼んだ作品5選

ロアルド・ダール『あなたに似た人』

あなたに似た人〔新訳版〕 Ⅰ

大博打にのめりこむ人間の心の恐ろしさ、 夫を殺した凶器の行方など、人の想像力の怪奇さを描いた作品集。恐怖、幻想、怪奇、ユーモア、機智など奇妙な味がちりばめられている。

 

カミ『機械探偵クリク・ロボット』

機械探偵クリク・ロボット 〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕

アルキメデス博士が発明したクリク・ロボットは、事件が起こると、正確無比な方程式によって謎を解く。その推理力の前に、解けない謎は存在しない。人類史上初の機械探偵の名推理を描く。

 

陳浩基『13・67』

13・67 (文春e-book)

2013年から1967年へ、ある刑事の人生を遡りながら、香港の社会の変化をたどっていく。2014年の雨傘革命や、1967年の左派勢力による反英暴動、中国返還など、香港社会の節目に物語を配し、市民と権力のあいだで揺れ動く香港警察のアイデンティティを問う。

 

山口雅也『生ける屍の死』

生ける屍の死(上) (光文社文庫)

アメリカ・ニューイングランド地方の田舎町。霊園を経営するバーリイコーン一家で、長男スマイリーが病に伏せていた。遺産を巡り家はただならぬ雰囲気に。一方アメリカ各地で、死者がよみがえるという不可解な現象が発生する。

 

北村薫『空飛ぶ馬』

空飛ぶ馬 (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)

女子大生の「私」と落語家の春桜亭円紫が、日常に潜む謎を解き明かしていく。爽快な論理展開の妙、と心温まる物語。 名コンビ「円紫さんと私」シリーズの第1作。

 

まとめ

戦後間もない頃から、ミステリというジャンルを日本に広めてきた早川書房さん。誰もが耳にしたことがあるような名作から話題作まで、その多くが同社から刊行されていることからも、まさにパイオニアと言えるでしょう。

さて、SF・ミステリへの愛があふれる二人へのインタビューはいかがでしたか? 初心者の方もマニアの方も、新たな発見があり、「手に取ってみたい!」という一冊が見つかったのではないでしょうか?

そんなあなたは、もう、すっかり早川チルドレンです。

 

・早川書房

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