入門用からマニア向けまで! おすすめSFを早川書房の歴史と共に学ぶ

2019.03.26

入門用からマニア向けまで! おすすめSFを早川書房の歴史と共に学ぶ

入門用からマニア向けまで、おすすめのSFをハヤカワに聞いてきました! SFとミステリの出版社として有名な早川書房。クラークやアシモフ、ハインラインといったハードSF、フィリップ・K・ディックなどのニューエイジ、さらにサイバーパンクやここ最近の円城塔などの作家についても!

人気記事

    では、ここからは早川書房の清水さんに聞いた、おすすめのSFを各部門ごとにご紹介しますね! 

    ここまでに挙げたものも含めて、ハヤカワじゃない作品も混ざってますが、清水さん曰く「読んで欲しいSFは出版社に関係なく紹介したい」とのこと。日本のSFを牽引してきた早川書房ならではの使命感を感じました。

    初心者向け!これだけはおさえたい入門的名作5選

    アーサー・C・クラーク『2001年宇宙の旅』

    2001年宇宙の旅〔決定版〕

    300万年前の地球、原始的なサルたちの前に出現した石板の正体は。月面で発見された同種の石板は何を意味するのか。宇宙船に搭載されたコンピュータ、ハル9000はなぜ人類に反乱を起こしたのか。生き残ったボーマンは、宇宙空間のどこで誰に出会い、何に変貌したのか。

     

    フィリップ・K・ディック『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』

    アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

    第三次大戦後、放射能灰に汚された地球が舞台。賞金稼ぎリックは、火星から逃亡してきた〈奴隷〉アンドロイド8人の首にかけられた莫大な懸賞金を狙って、決死の狩りをはじめる。リドリー・スコット監督の名作映画『ブレードランナー』原作。

     

    伊藤計劃『虐殺器官』

    虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)

    9・11以降、 先進諸国はテロを一掃したが、 後進諸国では内戦や大規模虐殺が急増していた。米軍大尉クラヴィス・シェパードは、謎の男ジョン・ポールを追ってチェコへと向かう。ジョンの目的は何か? 大量殺戮を引き起こす“虐殺の器官”とは? 

     

    ジェイムズ・P・ホーガン『星を継ぐもの』

    星を継ぐもの (創元SF文庫)

    月面調査員が月で宇宙服を着た死体を発見した。死体は死後5万年を経過していた。5万年前の人類に、月にたどり着ける文明がなぜあったのか。そして木星の衛星ガニメデでは、地球のものではない宇宙船の残骸が発見される。

     

    ケン・リュウ『紙の動物園』

    紙の動物園 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)

    泣き虫だったぼくに、母さんが包装紙で作ってくれた折り紙の虎や水牛は、みな命を吹きこまれて生き生きと動きだした。魔法のような母さんの折り紙だけがずっとぼくの友達だった。史上初の3冠(ヒューゴー賞/ネビュラ賞/世界幻想文学大賞)輝いた表題作の感動SFなど短編集。

     

    SF好きも唸るおすすめ作品5選

    スタニスワフ・レム『ソラリス』

    ソラリス (ハヤカワ文庫SF)

    意思を持った海に表面を覆われている惑星ソラリス。その謎のを解明すべく派遣された心理学者ケルヴィンだが、目にしたのは変わり果てた研究員たち。彼らにいったい何が起きたのか?そしてケルヴィンもまた、ソラリスの海がもたらす現象に囚われていく。

     

    テッド・チャン『あなたの人生の物語』

    あなたの人生の物語

    地球にやって来たエイリアンとコンタクトした言語学者のルイーズ。エイリアンの言語を理解していくが、同時に驚くべき運命にまきこまれていく。ネビュラ賞を受賞した表題作(映画化名「メッセージ」)をはじめとした短編集。

     

    飛浩隆『零號琴』

    零號琴 (早川書房)

    惑星“美縟”に赴いた特種楽器技芸士のセルジゥ・トロムボノクと相棒シェリュバン。首都“磐記”全体に配置された巨大楽器“美玉鐘”の500年ぶりの再建を記念し、全住民参加の假面劇が演じられようとしていた。秘曲“零號琴”が暴露する美縟の真実とは?

     

    小川哲『ゲームの王国』

    ゲームの王国(上) (早川書房)

    後にポル・ポトと呼ばれた、クメール・ルージュ首魁の隠し子とされるソリヤ。貧村で生まれたムイタック。ふたりは1974年のカンボジア、バタンバンで出会った。秘密警察、恐怖政治、テロ、強制労働、虐殺など、100万人以上の生命を奪った不条理は、少女と少年を見つめながらゲームのように進行していく。

     

    乙野四方字『僕が愛したすべての君へ』『君を愛したすべての僕へ』

    僕が愛したすべての君へ (ハヤカワ文庫JA)

    君を愛したひとりの僕へ (ハヤカワ文庫JA)

    地元の進学校に通う高崎暦。なかなか友人を作れなかったが、突然クラスメイトの瀧川和音に声をかけられる。85番目の世界から移動してきた和音は、そこで暦と恋人同士だという。人々が少しだけ違う並行世界の間で、日常的に揺れ動いていることが実証された時代の物語。『君を愛したひとりの僕へ』と同時刊行 。

     

    予想できない超展開のSF5選

    ニール・スティーヴンスン『七人のイヴ』

    七人のイヴ Ⅰ (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)

    突然、月が7つに分裂し、無数の隕石となって地球に降り注ごうとしていた。人類滅亡の危機。各国の政府は協力し、国際宇宙ステーションを核とした「宇宙の箱舟」をつくり、宇宙に活路を求めていく。

     

    デニス・E・テイラー『われらがレギオン』

    われらはレギオン1 AI探査機集合体 (ハヤカワ文庫SF)

    交通事故で死亡したボブ。117年後に目覚めると、恒星間探査機の電子頭脳になっていた。ほぼ無尽蔵の寿命と工業生産力を手に入れた彼は、人類の第2の居住地を探して近隣の星系を探索していく。

     

    アンディ・ウィアー『火星の人』

    火星の人

    有人火星探査は、猛烈な砂嵐により6日目で中止となった。しかし火星を離脱する寸前、折れたアンテナがクルーのマークに直撃し、彼は砂嵐のなかへ姿を消す。しかしマークは生きていた。火星に一人残された彼はどのように生き延びていくのか。

     

    コニー・ウィリス『クロストーク』

    クロストーク (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)

    脳外科手術を受けることで、気持ちをダイレクトに伝え合うことが可能に。ブリディはボーイフレンドとの愛を深めるために手術を決意。だが接続されたのは、恋人ではなくとんでもない相手だった。人の心がわかることは幸福につながるのか?

     

    草野原々『最後にして最初のアイドル』

    最後にして最初のアイドル (ハヤカワ文庫JA)

    SFを超えた「実存主義的ワイドスクリーン百合バロックプロレタリアートアイドルハードSF」。アイドルが宇宙ナンバーワンになるまで、さらには宇宙の意識の起源までもが描かれている。

     

    これもSF?ちょっと変わった作品5選

    チャイナ・ミエヴィル『都市と都市』

    都市と都市 (ハヤカワ文庫SF)

    欧州の都市国家「ベジェル」と「ウル・コーマ」は両国がほぼ同じ位置を占め、モザイク状に組み合わさっている特殊な領土。ベジェル警察のボルル警部補は、二国間で起こった殺人事件を追ううちに、封印された歴史に足を踏み入れていく。

     

    ケン・リュウ編『折りたたみ北京 現代中国SFアンソロジー』

    折りたたみ北京 現代中国SFアンソロジー (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)

    北京は貧富の差によって、三層に分かれた折り畳み式になっていた。その最下層で暮らす主人公の男。娘の学費のために、本来は入れない最上層へ行き密輸をすることに。そこで彼が見た光景は。

     

    ピーター・トライアス『ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン』

    ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン 上 (ハヤカワ文庫SF)

    第二次世界大戦で日本とドイツが勝利し、アメリカ西海岸が日本の統治下におかれている「日本合衆国」。検閲局に勤める石村は、特別高等警察・槻野の訪問を受ける。槻野は石村のかつての上官、六浦賀を追っていた。軍事ゲーム開発の第一人者である六浦賀はなぜ消息を絶ったのか。彼を捜索する石村と槻野を待ち受ける運命は

     

    ジョン・スコルジー『老人と宇宙』

    老人と宇宙 (ハヤカワ文庫SF)

    ジョンは75歳の誕生日に軍隊にはいった。地球に二度と戻れないという条件で、75歳以上のしか入隊できないコロニー防衛軍に。銀河の各惑星で暮らす人類を守るため、防衛軍はエイリアンたちと熾烈な戦争を続けていく。

     

    酉島伝法『皆勤の徒』

    皆勤の徒 (創元SF文庫)

    巨大な鉄柱が支える甲板にある会社。社長は不定形の大型生物”人間”。会社では日々、有機生命体を素材に商品が作られている。甲板の上とその周りの泥の海だけが全世界で、日々の務めは平穏ではなかった。

     

    まとめ

    というわけで今回は、日本のSFを切り開いてきた立役者、早川書房さんにお邪魔し、その歴史やオススメ作品を伺ってきました。日本にSFを根付かせ、発展させてきたと言っても過言ではない、早川書房さんの功績には感服するばかりです。

    そしてSFの中でも、北京が折り畳み式になるとか、アイドルが宇宙一を目指すとか、斬新な物語がたくさん出ているのだなと勉強になりました。SF作品の面白さを知れたことはもちろん、ファンにとって聖地である、早川書房さんの編集部におじゃまできたのも貴重な体験でした。

    それでは次回のミステリ編もご期待ください!

     

    ・早川書房

    公式HP

    公式Twitter

    ・カフェ・クリスティ

    住所|東京都千代田区神田多町2-2

    定休|日・祝

    時間|[月~金]08:30〜21:00・[土]08:30〜15:00

    イーアイデム

    この記事を書いた人

    コエヌマカズユキ
    コエヌマカズユキ

    ルポルタージュを主に執筆。新宿ゴールデン街の文壇バー「月に吠える」店主でもある。著書「究極の愛について語るときに僕たちの語ること」「フリーライターとして稼いでいく方法、教えます。」。本とお酒とデスマッチ観戦が好き。Mail:info@moonbark.net

    コエヌマカズユキの記事をもっと見る

    オススメ記事

      こちらの記事もオススメ