ここからは、本文には収まりきらなかった動物たちのざんねんなところを紹介していきます!
■シュモクドリ
「これはシュモクドリですね。頭の形が撞木(しゅもく:鐘を叩く金槌のようなもの)に似ているからシュモクドリっていうんですけど。彼らのざんねんなところは『無駄にでかい巣をつくる』こと」
「体のわりにやたら大きな巣をつくるんですよ。しかも一ヶ月くらいかけて(多くの鳥は数日から、長くても数週間ほどで巣を完成させる)。卵も小さいから、絶対にこんな大きくなくていいのに」
「器用なのか不器用なのか、わかんないですね。もうちょっと省エネでもよさそうな気がします」
■アシカ
「アシカは『水中に適しきれてない』のが、ざんねんだよねえ」
「え! こんなにスイスイ泳いでるのに!?」
「アシカは陸上で芸ができるでしょ? それは陸上で歩けるからなんだけど、逆に言うと海に入ってからそんなに日が経っていないということなの」
「とはいえ、進化の過程の話だから数万年単位の話なんでしょうけど……。ということは、陸上で芸ができないアザラシのほうが海に適しているとか……!?」
「そうそう。進化は一長一短だから、『一つが秀でると、もう一方ができなくなる』ということでもありますよね」
■ホッキョクグマ(シロクマ)
「シロクマは本当にざんねんだよね〜〜!!」
「えっ! どうして? こんなにかわいいのに!」
「だからこそ、だよ! みんな白くてふわふわした見た目に騙されて『かわいい、かわいい』言ってるけど、一っ番凶暴だもんね〜(笑)。お肉大好きでさ!」
「(先生、今日イチのテンションの高さだ・・・)」
「黒かったら、ただのクマなのに!!」
■ペンギン
「ペンギンは見た目かわいいのに声が汚いんだよね『ギャーッ』って。それと、口の中がトゲだらけでこわい」
「ああ〜。ペンギンの口の中、ちょっと衝撃的ですよね」
「捕えた魚を逃がさないように、ギザギザしてるんだけどね。ペンギンには歯がなくて魚を丸呑みするから、トゲがあることでスムーズに奥へと運ばれていくようになってるんです」
※「ペンギン 口内」で検索するとなかなか衝撃的な画像がでてきますので、ご注意を!
■コビトカバ
「コビトカバは世界三大珍獣の一つですよね。かわいい〜!」
「20世紀になってから発見された動物だからね。もともとは西アフリカに凶暴ななぞの動物がいると言われていて、ドイツ人学者が調査に入って見つけたの。そしたら、ぜんぜん凶暴じゃないし、とってもかわいい!って」
「こう見えて、カバとは別の種類なんですよね?」
「そうそう。最初は『これはカバの子どもで、新種じゃない』と言われていたんだけど、大人でもこのサイズだから『これはやっぱりカバとは違う!』となって」
「いつから三大珍獣と言われるようになったんですか?」
「あれはね、上野動物園の園長たちがノリで決めたの。今から80年くらい前かな、『まだ日本に来たことない、あまり見たことのない動物はなんだろう?』って、協議して決めたんだよ」
「ええ〜! そんなに曖昧なものなんですか?」
「きっと、お酒の勢いかなんかで決めたんだろうねえ(笑)。『世界三大』っていうけど、日本以外の人たちは知らないもんね」
「それはざんねんすぎる〜〜〜」
私たちの身近にいる「ざんねんないきもの」たちの生態、いかがでしたか?
全部が器用にできないけれど、だからこそ愛おしくて私たちを夢中にする動物たち。己の不器用さを呪いたくなる日が来ても、私たち人間だって「ざんねんないきもの」なのだと思えば、すこしは自分を許せる気がしてきます。
みなさんも、次の休日にはぜひ動物園へ行ってみてください!
ちょっとざんねんないきものたちが、みなさんを癒してくれるはずですよ〜!!
それでは、また!
撮影|関口佳代