株式会社Backpackers’ Japan 石崎嵩人さん

面白いなあ。僕は「会社はどうして〇〇してくれないんですか?」という声を耳にするたびに「会社っていったいなんなんだっけ……?」と思っています。「そのようにスタッフみなさんを守ってるんですね!」みたいに他社の方から褒められる(?)ときも微妙にモヤッとしています。「僕らはみんなを守ってるんだっけか……?」と。

「会社」はある種、幻想の共同体。絶対的な正しさなんてないことを胸に、しっくりこないものには毎回モヤッとしつつ、自分たちにとって適切な表現だったり心地のいい組織のあり方だったりを探していくのがいいんだろうなと感じました。

 

株式会社Backpackers’ Japan
社員数:70名
業種:宿泊業(ゲストハウスtoco. / Nui. HOSTEL & BAR LOUNGE / Len 京都河原町 / CITAN)
WEBサイト:https://backpackersjapan.co.jp/company/

 

EXIT FILM inc. 田村祥宏さん

倒産の理由は人間関係……ムチャクチャわかる!!!!

僕はガッチガチのプレイヤータイプの社長なんで、それを社員に真似させようとしたり無理に教育しようと思っても上手くいかなかったり、自分の出す成果と差がやっぱりできちゃう……。

なので、会社というのは『僕をお助けしてくれる超便利なシステム』って考えるようになりました。

会社や社員を重荷だと思うのではなく、自分をパワーアップさせてくれるシステムなんだと。パワーアップさせてもらっていて倒産したら、もうそれは完全に自分のせい。

システムで武装する感じ、ルフィというより、ロックマンのイメージかも(笑)。

そのかわり、会社は徹底的にホワイトかつクリーンにしていってます。ロックマンも途中からキャラが増えてったんで(糞ゲーだったけど)、いずれそうなれば嬉しいな。

 

株式会社イグジットフィルム
社員数:5名
業種:映像制作
WEBサイト:https://exitfilm.jp/

 

株式会社ツドイ 今井雄紀さん

倒産はできればしたくないですし、意地でもさせないぞとは思っています。会社のメンバーの人生を預かってるプレッシャーも、少なからずあります。

従業員のみんなには、どこに行っても通用する力をつけて欲しい。その能力をうちの会社で発揮してくれたら理想だけれど、やりたいことが見つかったのなら、そのときには全員で全力で応援したいとも思います。

一方で、みんなが業界トップクラスのプレイヤーになったとき、それでも働きたいと思ってもらえるような会社でありたいなとも思っていて。それが経営者の大事な仕事のひとつだと考えています。

 

株式会社ツドイ
社員数:7名
業種:編集・イベント企画
WEBサイト:https://tsu-doi.jp/

 

株式会社マガザン 岩崎達也さん

今の会社は2つあって、1社は自分個人の想いを発露したくてつくった株式会社マガザン、
もう1社は「このメンバーとこのチャレンジをやりたい」という意志があって複数人でつくったサンタデリバリー株式会社です。

それぞれ同じ「法人」ですが、「倒産」を考えた時に意味合いはけっこう違うなぁと思いました。

マガザンは社員10名ですが、まだ自分個人の延長線上にあって共感してくれている仲間たちと「おりゃーやってやるぞー」という成長段階にあるイメージで、倒産は自分個人がダメだった、というくらいの捉え方になりそうです。

一方でサンタデリバリーは、「共同創業者と一緒に組み立てたアイデアと仮説を、社会実装するチャレンジをしたい」という位置付けなので、誤解を生みたくないですがもし倒産したら「ナイストライだった!」と思える気がしています。

 

法人を自分の人格と=に近い形で結びつけているか、
そうではなくあくまで一つの手段と捉えているかで随分と違う。

これを整理できていると、倒産に対する向き合い方ってけっこう変わるんだろうなぁと思いました。
そうすると、倒産後の心の準備や対処も建設的なものになるのではないでしょうか。

倒産について考える素晴らしい機会をありがとうございました!

 

株式会社マガザン
社員数:10名
業種:企画、サービス業
WEBサイト:https://magasinn.xyz/

 

合同会社バンクトゥ 光川貴浩さん

社長には『ゴール』が必要で、社員にこそ『そうめん』が必要なのかなと!

社長である自分としては、経済的な倒産(破産)より、企業風土や文化が喪われた時の方が立ち直れない気がしています。文化的な倒産・モチベーションの廃業だけは敗者復活戦がないから(と思い込んでるだけか?)、関根さんのいう『ゴール』論はめっちゃよくわかる。

けど、社員からすると、ぶっちゃけゴールとか、どーでもよくて、ちゃんとお給料を払って貢献度を正当に評価してくれる、というのが大前提だよな〜。これが出来ないと、関根さんから「そうめん」を渡されてしまう社長になる…。

ゴールを追って夢を食って青春時代が続いてるのは、実は社長だけ?と思う時が多々あって。正直、人生までは背負えないが、社員に対して、それこそ“そうめん”を配る責任があると思う。

“そうめん”を払えずに逃げた社長のもとで働いたことがあって、本当に社会悪だなと。社会的に再チャレンジできる場は必要だと思うのですが、社長じゃなくてもいいのかな〜。その人の次なる『ゴール』が、『負のそうめん』を産んでしまわないことを望みます!

 

合同会社バンクトゥ
社員数:12名
業種:クリエイティブファーム(企画編集・デザイン・ソフトウェア開発)
WEBサイト:https://bankto.co.jp/

 

シソーラス株式会社 荒井雄彦さん

会社経営って色々な研究理論があって、それに縛られて経営者が機械化されて人間的じゃなくなってる……って感じることがあったりします。

どこかで経営の当たり前が定義されてしまってて、その当たり前が欠けてると批判される。で、もちろんネガティブな批判を受けたくないので理論武装する。

そうすると、自分自身のアイデンティティが失われて、機械化されてく。

シソーラスって会社も、なんかよくわからない……ということを外からも中からもよく言われますが、僕自身もよくわからないんです。だから、わからないと言われるのは、シソーラスという会社の状態そのままだから、まぁ良いのかな。と思ったりしてます。ここで無理矢理わかりやすくしようとしたら、そこで自分自身がしんどくなるんだろうな……と思うし。

シソーラスのメンバーからは、わからないからわかりやすく説明するための資料とかWEBとか整備しろ……みたいな話は出ますが、僕自身はあまり乗り気じゃなくて。まだ自分自身で何か明確なゴールを定めることができてないのもありますが、ある程度の余白をメンバーそれぞれが自己表現して欲しいという思いもあったりします。

 

シソーラス株式会社
社員数:22名
業種:クリエイティブ・コンサルティングファーム
WEBサイト:https://www.thesaurus.co.jp/

 

 

構成:友光だんご
編集:くいしん