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ジモコロ編集長の柿次郎です。

 

憧れの長野に家を借り、東京との二拠点生活を初めて早一年。

 

生活の基盤が長野に移りつつあるなかで、地元のローカルプレイヤーを巻き込んだ「お店2.0」「やってこマーケット」「村作り」など、自分の経済圏を小さくする取り組みが少しずつ形になってきました。

 

 

旗を振れば人が集まる。そして、おもしろいことが必ず起こる。

 

人生で学んだ行動哲学で駆け抜けてきた一年。新しいローカル文化が芽生えてきた今だからこそ、僕にはあらためて会っておきたい人物がいました。

 

 

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それは長野県知事です!

 

話を聞いた人:阿部守一(あべ・しゅいち)

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長野県知事。1960年東京都生まれ。東京大学法学部卒業後、自治省(現・総務省)に入省。本省勤務のほか、山口県、岩手県、神奈川県、愛媛県などへの出向も経験し、地方自治の現場で活躍する。2001年、長野県企画局長に就任。同年10月からは副知事を務める。2007年、横浜市副市長に就任。2009年、内閣府行政刷新会議の事務局次長に就任し、事業仕分けに関わる。2010年8月、長野県知事選挙に出馬し初当選。身長 181cm。

 

 

知事とはかつて、お酒を一緒に酌み交わし、夢を語らせてもらったことがあります。

 

 

僕が酔いに任せて「長野に100人移住させて村を作りたいんです!」と伝えたら、知事が「それはいいね。全力で応援するよ!」と言ってくれたあの夜のことを僕はまだ忘れていません。

 

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できることなら、長野県知事の阿部さんと共に文化を一緒に作っていきたい。そして、僕の長野への愛と、知事が持つネットワークの両方を掛け合わせて、もっともっとおもしろいことがしたい……!

 

そんな思いを漠然と抱いて、僕は知事のいる長野県庁に乗り込んだのでした。

 

もし「村」をつくるならどこがいいか?

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「柿次郎さん、ひさしぶり。長野に村を作りたいという話はその後どうなった? 確か100人移住させるとか言ってたよね」

「はい。村を作って100人同時に移住したいです。今日は知事にどうやったらそれが実現するか相談したいんです」 

「そうねぇ。手っ取り早いのは集落の存続に危機感を持っている村に協力してもらい、そこにみんなでわっと行ってしまうことだよね。県内をまわれば、お年寄りが数人暮らしているだけの集落とかいっぱいあるから。そういうところに若者が入ってもらえたら頼もしいよね」

「いきなり100人で乗り込んじゃって大丈夫ですか?」 

「イナバ物置みたいに言うね。500人の村にいきなり100人来たら困るな……って感じも当然あると思うから、場所選びは考えないといけない。バランスを考えて若者とお年寄りが共存できたらとてもいいよね

「そうなんですよね」 

「ほら、お年寄りは買い物とか雪かきとか、ちょっとしたことを若者に頼めたら嬉しいんだよ。逆に若者はそういうお年寄りの手助けをする代わりに、その土地で生きる知恵を教えてもらったらいいじゃない」

「そういう集落に飛び込むとしても、どこに飛び込んだらいいのか取っ掛かりがつかめないんですよ。どこかいい土地はあります?」 

「そのあたりも含めて、今日は具体的に話しちゃった方が話が早そうな気がするよね。どうする? 便利さはあった方がいい? そこはあまり考えない?」

「決断力と行動力がすごい。村会議みたいになってきた!」

「(秘書に向かって)ねえ、ちょっと地図持ってきてくれる?」

 

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「どこがいいかなぁ。ひとまず、柿次郎さんのイメージを聞かせてよ」

「はい! じゃあお言葉に甘えて、僕のイメージをぶつけさせてください。まず、僕は都会の人を自然豊かな長野に連れてきて、ちょっとずつ感情を変化させていきたいんですね。ゼロイチの移住はお互いに無理が生じると思うので」

「うんうん」 

「で、そのための入口として、まずは長野駅周辺で僕がつくっているコミュニティに遊びに来てもらいたいんです。今は善光寺近くの門前エリアで『お店2.0』という取り組みをしているので、まずはそこで都会の人たちと長野の大好きな人たちをつなげたい」

 

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柿次郎が取り組んでいるお店2.0の場所「シンカイ」

 

「いいねえ。でも、長野駅周辺だと村という感じじゃないね」 

「はい。あくまでもこれは入口です。長野は新幹線で東京から74分、片道約8000円。新宿から高速バスで1500〜3000円。移動時間と費用の敷居が低いんですけど、そこがまず知られていない。誘った人はみんな口を揃えて『こんなに近いと思っていなかった!』と言います」

「なるほど」

「ここをフックにして、長野の近さ、自然の豊かさ、便利さを知ってもらう。その上で、よりディープな長野が味わえる村に人を連れていきたいんです。場所は長野駅からできたら車で一時間圏内がベストですね」

「考えてるね。その村ではどんなことがしたいと思ってるの?」 

「端的に言うと、民族ごっこですね」

「村の習慣をわかりやすくするってことかな」

「ポップな間口や言葉を作らないと、敷居が高くなっちゃうので。例えば、でかい古民家みたいなのを公民館的に使って、そこで寝泊まりする。語り合いながら瓶ビールを飲む。朝は畑仕事。あと、コミュニティの真ん中に櫓(やぐら)を立てて、意味もなく太鼓叩いたりとかもしたいですね。ドコドコドコって……」

「楽しそうだね。じゃあ、前提条件は農業なのかな?」 

「そうですね。都会にない価値を見出さないと意味がないので、土と触れ合う時間が生活のなかに入ってることが大事かなぁと。春先に米作りを手伝って、秋にお米が届いたら嬉しいじゃないですか。日本の民族的な価値のおもしろさは、五穀豊穣カルチャーがあると思うので。あとは観光的な視点で、お店がいくつか並んでるといいですね」

「そうか。お店もやるんだったら、交通の利便性はある程度あった方がいいよね。長野から人気の観光地までの移動ルート上にある村に、引力のある店をつくれば人が立ち寄ってくれるかもしれないよ」 

「確かに、村選びに人の流れは重要なポイントですね」

「まあ、そんな感じでいくつか条件を出してみてくれるかな。それで村の候補が絞れたら、私から市町村長に『柿次郎さんがこんなこと言ってるから、考えてみてもらえません?』って個別に聞いてみるから。そしたら話早いよ。もしかしたらすぐにできるんじゃない?」 

「頼もしすぎる! ちょっとマジで考えてみます!!」

 

 

長野の魅力は「プライスレス」

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「ところで、知事は東京出身ですよね。外からやってきて、長野の知事をされている。こっちに来たのは2001年でしたっけ?」

「そう。最初は企画局長というポストだよ。2001年1月1日付けだから、21世紀とともに長野県民になったんだね 

「21世紀とともに! そこから17年。長野とともに歩んできて、そのポテンシャルってどんなところにありますか?」

「いろいろあるんだけど……。よく言ってるのは、長野にはお金に換算できない価値がたくさんあるってことだよね。たとえば、田んぼのあぜ道に座ってね、アルプスに沈む夕日を眺めるだけで、もう値千金じゃない(笑)」 

「わかります。最高ですよね」

 

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「東京は嫌いではないんだけど。ある程度のお金や自由な時間がある人にとっては楽しいところかもしれないけど、『生活』をするには極めて厳しい場所じゃないかな 

「はっきり言っちゃうんですね(笑)。でも、電車の混み具合とか確かにひどすぎる……」 

「人を押しのけないと電車に乗れないとか、やっぱりちょっと変だよね。で、そういう環境に耐えながらがんばって仕事をして、給料をたくさんもらっていたような人たちも、土に触れたいとか、自然のなかで子育てをしたいとか、いろんな理由で今は長野に移住をしてくるんだよ」

「はい。それこそ、都会の生活では得られないようなプライスレスな何かを求めてくるわけですよね。移住したい県No.1に返り咲いたばかりですし」

 

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「そう。戦後の高度経済成長の頃、我々はモノの豊かさをひたすら追求して、発展してきたよね。そのこと自体が間違いだったと私は思わないけれど、一定程度の豊かさが達成された今は、お金以外の価値をみんなが求めるようになってきた。で、そういう価値を豊富に持っているのが、この長野だと私は思っているんだよ」 

「長野はプライスレスな価値がたくさんある一方で、県としてはちゃんとお金も稼ぐ手段を作るための創業支援にも力を入れていますよね。創業支援金の利子が低いこととか、意外と知らない人多いんじゃないかなと」

 

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長野県中小企業融資制度より

 

「最大5500万円。貸付利率 年1.1%ってすごいですよね。友人も創業支援制度でこだわりのお店を作っていて、町の個性が育まれている印象があります」

日本一創業しやすい県にしたい、というのが目標だからね。まだまだ道半ばではあるけれど、いろんな取り組みをこれからもやっていくつもりだよ」

「ただ、行政のHPってめっちゃわかりづらいですね…」

「ごめんなさい。そこは課題だね」

 

 

長野=インド説/ツッコミ不在説

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「ここから僕が思う長野のことなんですけど……知事、聞いてもらってもいいですか?」

「ああ、いいねえ。ぜひ」

「まず、こっちに来て思ったのは長野=インド説です。広大な土地に、個性豊かな町があちこちに点在していて、経済圏が分散している。町ごとに文化も違うし、『何度行ってもまわりきれねぇ!大迷宮か!』と好奇心が尽きません」

「たしかに。長野って広いんだよね」

「あと、みんなめちゃくちゃ真面目。そして、ツッコミ文化がない!

「ああ、ツッコミ。そうかもしれないなあ……」 

これは多分アルプスのせいだと思います。僕は大阪出身なんですが、大阪から長野ってめっちゃ行きづらいんです。これはつまり、3000m超えのアルプス山脈が大阪のお笑いカルチャーをせき止めている。……どうですか、この仮説は?」

 

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アルプスが関西のお笑いカルチャーをせき止めている説

 

「おもしろいね(笑)。でもわかるよ。長野と関西は文化的に対極かもしれないからね」

「さらに……長野は日本で一番リアクションが薄い! 僕は長野でも何度かトークしたことがあるんですが、ほかの土地でウケてるような鉄板の話が、まったく反応がないんです。一瞬で口が乾いて、自信を失くすこともしばしば。後で聞いたら楽しんでいた、とのことなんですけど……」

「ははは、それはありそうだね。でも、ちゃんと聞いてくれてるんですよ。若者からお年寄りまで、長野の人たちはとても真面目だからね」

 

 

「学び」が長野を「長寿県」にした⁉︎

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「確かに長野の人は、総じて真面目だなあという印象があります。そういえば、長野ってよく『教育県』って呼ばれますけど、それも関係しているんですかね?」 

「実は長野って、昔の寺子屋、私塾の数が幕末のときに日本で一番多かった県なんだよ。明治初期の就学率も日本で一番だったし、優秀な教育者もたくさん輩出してきた。私は都立高校の出身なんだけど、都立高校のルーツである『旧制中学』の初代校長先生も長野県出身者。どうも長野からヘッドハンティングされたようなんだ

 

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明治初期の寺子屋・私塾の数。「日本教育史資料」をもとに県が作成した(沖縄、長崎、香川、愛媛、奈良、茨城、埼玉、岩手を除く)

 

「へええ。それでいうと優秀な経営者も多く輩出してますよね。例えば、東急グループの創設者である五島慶太さん。セブン-イレブン・ジャパン創業者の鈴木敏文さんとか」

「そうだね。とにかくみんな勉強熱心。今でも図書館にいくと、学生はもちろん、お年寄りまでメモをとって勉強していたりしていてね。公民館活動も日本で一番盛んだし、学びを通じて、自分たちの地域を自分たちでよくしていこうという自治精神が長野にはあると思う」 

「学び×自治って最強な感じがしますね」

「うん。今年4月には一年生が全寮制で、必ず海外体験をするといった特色をもつ長野県立大学を新たに設置したんだ。それに『学びと自治』は新しい長野県の総合5カ年計画『しあわせ信州創造プラン2.0』の大きなテーマにもなっているんだよ」

 

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長野県立大学。阿部知事のほか、ソニー創業者・安藤国威さんやロシア語学者の金田一真澄さんなどが創立に関わっている

 

「あとやっぱり長野県民の学びの遺伝子っていうのは、長野を全国でも指折りの長寿県にした要因にもなっていると思っていてね」 

「ほうほう」 

「実は長野県って、昔から長寿県だったわけじゃないんです。漬物の食べ過ぎ、塩分の取り過ぎで、昔は脳溢血で倒れる人がとても多かった」

「あら、そうなんですか! 寒いところだから塩分をたくさん摂らなくちゃいけなかったのかな」 

「そう。でも、このままじゃいけないということで、医師や保健師、看護師といった専門職の皆さんによる健康指導を。さらに保険補導員や食生活改善推進員といった健康ボランティアの皆さんによる生活習慣病予防の講座を地域ぐるみでやっていったんだ。塩分測定器を使って『おたくの味噌汁は塩分が多すぎる』とか、そういう地道な指導をね」

「へえ。それを地域レベルで」

 

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「今はどこの県でも長寿県にしなくちゃってやっているけど、こういう風にそれぞれの地域がみんなで学びあって、実行していく仕組みはそう簡単にはできないだろうなあと。これはまさに自治であり、学びであるし、勤勉な長野の県民性を表していると私は思うんです」

「なるほど。あと長寿ということでいえば、僕は長野にいると呼吸が深くなるのを感じているんですね。温泉入っても、雄大な山を見ても、『は〜〜〜』ってなるじゃないですか。気道が上がるというか。それが健康にもつながっている気がしていて」 

「おもしろい視点だね。でも、確かに長野にいると上向くことが多いよね。星空もきれいだし」

「そうなんですよ。例えば満員電車に乗ったら呼吸浅くなるじゃないですか。下を向いてスマホいじってたら、気道も下がるじゃないですか。長野に住んでる人は呼吸が深くて、それが健康につながっているのかも……っていう仮説はどうですか?」

「仮説好きだよね(笑)。でも、わかるかもなあ」 

「もちろん、東京にはチャンスがたくさんあるから、若いうちはそこで挑戦する価値もあるとは思います。ただ、健康を損なったらやりたいこともできないじゃないですか」

「そうだねえ」 

「だから、僕は東京の人にひとまず長野に遊びに来てもらいたい。温泉に浸かって、おいしいものを食べて、深呼吸してリラックスしてもらいたい。そのまま長野が気に入れば住んでもらえればいいし、東京に戻りたければそれでもいいという選択肢を与えられたらいいなって思うんです」 

「大事なことだよね。東京と長野が相互にいい影響を与えあえたらいいと思うなあ」

 

 

レガシーとしての「長野オリンピック」

f:id:kakijiro:20180421192830j:plain「それでいうと、東京は2020年にオリンピックを控えています。長野は20年前に冬季オリンピックを経験していますけど、これからの東京は長野から学べることがたくさんあるんじゃないでしょうか?」

「うーん。長野でオリンピックをやったことで今に繋がっていると考えられることはいくつかあるな。ひとつはインフラ整備。新幹線が通って、高速道路網もできたことで、今はみんなが長野に来やすくなっている。移住したい県として評価されているのもそれが大きいと思うんだ」

「確かにそうですね。僕もそれが便利だから、東京と長野で二拠点生活できています。ありがとう、交通インフラ……」 

「その一方でデメリットが生まれているとしたら、施設の維持管理だよね。ボブスレー施設の『スパイラル』とか、長野五輪でスピードスケートの会場になった『エムウェーブ』とか、そういう大型施設の活用というのはずっと地域の課題になってるんだよ」

 

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1998年長野冬季オリンピックのスピードスケート会場「エムウェーブ」

 

「あー。一度作った箱モノは簡単に取り壊せない問題。全国の自治体が悩んでいそうですね」 

「ただ、この20年を振り返るとメリットの方が多かった。まず、海外での知名度がとても上がったよ。知事の立場でいえば、海外で長野といえば『あ、オリンピックをやったところですね』ってみんなわかるんだよ。これはすごく助かる」

「オリンピックの影響力ってすごいんだなあ」 

「あと、長野オリンピックをきっかけにいろんな国際交流が生まれたこともよかったね。例えば『一校一国運動』。これは、オリンピック開催地の学校が、ほかの参加国・地域を応援するというものでね。こないだの平昌オリンピックにも継承されている国際的な運動なんだけど、始まりは長野オリンピックなんだ」

 

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平昌オリンピックに出場したカーリングの両角兄弟は、長野オリンピックのときに「一校一国運動」に参加しているそう

 

「へー!知らなかったです」

「ほかにも、2022年には北京オリンピックがあるけど、長野はスキー競技をやる河北省に長野オリンピックのノウハウを提供している。平昌も含めて、一緒にオリンピックムーブメントを広げ、この三地域を東アジアにおけるウィンタースポーツの核にしていこうとしているんだよね」 

「スケールがでかい! それもこれも、20年前にオリンピックをやったからですよね。みんな今につながっているわけか……。東京ではあまり報じられていない話だと思います

「長野オリンピックは、現実の政策にも結びついてきてるというのが私の感覚。そういう意味でいえば、長野オリンピックというのは、長野県にとってきわめて重要なレガシーだよね 

「レガシー。いい言葉ですね」

「オリンピックっていうとそのときの盛り上がりとか、成功させることが大事とかになっていくんだけど、やるからにはちゃんと次に繋がるようなものにしてほしいというのが私の願い。柿次郎さんの村作り構想も、次世代の長野を担う活動として注目していますよ」

「ありがとうございます!懐の広い阿部知事に抱かれた気分です!」

 

 

まとめ

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長野はやっぱり僕にとって魅力的な土地です。

だからといって、世の中で長野が一番いいところなんだと強く言い切るつもりはありません。価値基準は人それぞれ。土地や人との出会いで一番は変わります。

 

プライスレスな価値ということでいえば、それはもちろん、日本全国のローカルにいくらでも転がっています。

 

そうした価値を生かしていくことがこれからの文化を作るのだとすれば、僕が知事に活動を「応援するよ!」と言ってもらえたように、行政は先んじて、新しい動きに投資をしていくことも必要になるでしょう。

また、それと同時に個人や法人は行政に甘えすぎることなく、自らの信念と熱意で行動し、いい仲間を集めていくことも大切です。

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今後、自動運転や5Gの通信革命などと合わせて、都心から通いやすい自然豊かなエリアは必ず化けます。そして、すでにローカルで「利他精神」をBEDし続けている20〜30代のプレイヤーこそ希望です。まだ目に見えていない数字上の「厳しい現実」が近づいたとき、土地と距離を超えた強い仲間になるでしょう。

 

今はまだ小さな萌芽でも、2020年の東京オリンピックが終わった後にはきっと大きな花が咲いていると信じて。僕はこれからも長野を拠点に、家族や友達とポジティブで可能性のあるローカルを楽しみながら発信していきたいと思います。

 

それではみなさんお元気で!

 

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構成:根岸達朗

写真:小林直博