美容に関する悩み
乾燥、シワ、なんで?
「ここからはアラフォー世代の美容に関するお悩みを聞いていきましょう!」
乾燥が半端ないんですが、なぜ? 油分って減るの?
M子さん 38歳
「肌の乾燥も女性ホルモンの低下の影響が大きいです。それに加えて、年齢とともに皮脂の分泌量が落ちてくるので、その両方が原因で、乾燥が進み、細かい小ジワができてきますね」
「シワも乾燥が一因なのか。対処法があれば100兆万円払うから聞きたい」
「これは加齢変化なので、仕方ないです。いくらコラーゲンを食べても、顔にいくとは限らないし、急に潤うということはありませんので」
「油分が減るのは、もうどうしようもないのか……せめて1秒でも減少を遅らせるためにスキンケアを頑張ろう……!!!」
うぶ毛が濃くなることってある?
「続いてこちらのお悩み。『え、そんなことある? こわっ』って思ったんですが、実際あるんでしょうか?」
顔のうぶ毛が濃くなった気がするけど、年齢によるもの?
I子さん 43歳
「全員がうぶ毛が濃くなるということはありません。むしろ減る人のほうが多いと思います……が! 女性ホルモンの低下によって、うぶ毛が一時的に濃くなる方は一定数います」
「えー! 普通にあることだった!!!」
「毛が濃くなって、『男性ホルモンが多いのかな』と相談される方がいますが、男性ホルモンが多いというより、女性ホルモンがドーンと落ちて、相対的な比率が変わっているだけなんです」
「バランスの問題なんだ。なんだか複雑だよ……女性ホルモンが減る理由はあるんですか?」
「年齢です。ほとんどのホルモンは減っていく一方ですね」
「とにかく女性ホルモンは減る! 減ることにはもう抗えないんだな……」
薄毛・白髪など髪の質が変わった
「続いてこちらも非常に多かった、髪に関するお悩みです」
白髪が気になる。育毛剤で改善するって噂は本当? あと髪が明らかにパサつくようになったけどこれも老化?
S香さん 42歳
「白髪は育毛剤では改善しません。髪のパサつきもやはり老化ですね。女性ホルモンや血流の低下で髪質が悪化するので、うねりと乾燥が起こるようになります。抜けやすくもなってきますね」
「薄毛のお悩みも非常に多かったんですが、どれくらいの年齢からそんなお悩みが増えてくるのでしょうか?」
「三十代後半~四十代……つまりアラフォー世代が多いです。白髪と同じで、女性ホルモンが少なくなってきますし、乾燥して髪にコシがなくなってきますから。抜けやすくはなっちゃいますね。仕方のないことです」
「男性の薄毛と同じで、根本的な治療なんてのは存在しないのか。当然すぎる学びを得た! 最終的にはウィッグという手段もあるが……」
「ちなみに、髪だけではなくまつ毛も減ります。短くなる人もいます。若い時のバサッとした感じはなくなりますよね」
「それってひょっとして、“まつ毛もハゲる”ということ……?」
「そのとおりです。髪も減ってくるので、当然ほかのところも減ってきます。男性だけではなく、女性にも普通に起こることですね」
体の変化に関する悩み
なぜ痩せないの……
「アラフォー世代になると明らかに体型に変化がありますよね。続いてはこんなお悩みです」
20代の頃と比べて明らかに体重が落ちなくなった。体型もお腹だけがたるんでしまう
N子さん 37歳
「『痩せなくなった』というのは、基礎代謝量が落ちてくるからです。どんな方でも代謝が落ちて、同じ生活をしていても太りやすくなります」
「私は37歳なんですが、明らかに代謝が落ちたなというのは感じます」
「40代に入ったら、もっと落ちますよ。『そんなに食べてないのに、どうして太るんだろう? 』と感じるようになったり、おへその下から太ももにかけて脂肪がつきやすくなりますね」
「わかる! むしろ若い頃より食べてないはずなのに、なぜか下腹部に肉がついちゃう」
「逆にバストのあたりは落ちてきます。そして、位置も下がってきます。歳を取ると……特に出産を経験すると、乳頭の位置が5cmぐらい下がってしまうことがあります」
「oh……」
「それから、みんな背中に肉がつきますね。若い頃のようなキュッとした感じではなくなります」
「体重は同じなのに……」
「歳を取ってからと若い頃とでは、肉のつく位置が変わります。体重が同じでも体型は変わってしまうんです。また、それに伴い皮膚も垂れてきます」
「あと、歳をとったら筋肉が落ちますよね? ということは……同じ体重だとしたら減った筋肉の分だけ、脂肪の比率が高くなってるってこともあるのかな。運動しよ!」
どんな運動をしたらいい?
「老い、マジ辛い…では関連してこの質問はどうでしょうか?」
老いを少しでも食い止める適正な運動量ってあるの?
Sさん 40歳
「普通にウォーキングなどでいいですよ」
「筋トレはあまり意味がないということですか?」
「意味がないわけではありません。筋トレなどの無酸素運動は成長ホルモンを分泌できるので、骨密度を上げるにはいいですし、筋量が増えると代謝も上がります。体の形を変えるという意味でも良いでしょう」
「おぉ! じゃあ筋トレ始めてみようかな」
「ですが、歳を取ると関節も弱くなっていますから、いきなり無酸素運動をすると体を壊すおそれがあります。痩せたいだけなら、まずは普通にウォーキングなどで下半身を鍛えることをメインに考えたほうがいいと思います」
「関節が弱くなってるのか。確かに最近ヒザがうっすら痛い……」
「週2〜3回のウォーキングとか週1のヨガといった有酸素運動を継続しながら、プラスアルファで必要に応じて筋トレというのがベストではないでしょうか」
「それくらいなら頑張れるかも!! ちょっとは若返るかな?」
「もう1つ大事なのは関節です。体が硬いのは老い進行の要因になりますから。ストレッチやヨガ、ピラティスなんかはおすすめですよ」
「確かに体は硬くなってる。そして、体が硬くなると動きの自由度とか速度が落ちて、見た目にも老けて見えちゃいますよね」
身長が変わるってあります?
「続いてちょっと気になるお悩みがあったので聞いてもいいでしょうか」
健康診断の結果身長が1cm縮んでいた。まさかこの先もっと縮むなんてこと、ないですよね?
Yさん 35歳
「身長が1cm縮んでいたと。残念ながらそれどころでは済まないです。更に歳を取ると、多くの人が2〜3cmは縮みますね」
「えっ、そうなんですか?」
「背骨の隙間がくっついてきて、スペースがなくなってくるんです。その分 縮むわけですね。また、加齢によって姿勢が悪くなってくるのも原因です」
「これもどうしようもない???」
「縮まないためにできることは、骨を守るという意味では骨密度が下がらないように栄養を摂って、運動すること。あとは、やはり姿勢が大事ですよね。正しい姿勢を意識するのが重要です」
「じゃあ、日々の努力によって縮まなくなる!?」
「いえ、最終的には絶対に縮みます。背が伸びる人はいないですから」
「今の身長を維持するためにたゆまぬ努力をするしかない! まずは猫背を治そう!」
歯に関するお悩み
「年齢が一番わかるのって、実は歯じゃないかなーって思ってるんですが、続いてはこんなお悩みです」
歯に物が挟まりやすくなった気がする。若い頃と何が変わったの?
T子さん 37歳
「これは歯ぐきが痩せて落ちてくるからです。すると歯と歯の間に隙間ができちゃうんですね。歯は定期的にメンテナンスせざるを得ないんです」
「これは女性ホルモンとかではなく、単純に加齢によるものですか?」
「そうです。なので男性も女性も同じように隙間ができますよね。歯は一生のものですから、若い頃からちゃんと手入れしましょう!!」
「毎日歯磨きしよう! いやしてるけど。ちゃんと!」
体調に関するお悩み
更年期のことを知りたい
「次は、女性なら誰もが怖れるこのお悩みです」
更年期障害って一回なったら死ぬまで続くの?
K代さん 41歳
「今更なんですが更年期障害っていつぐらいから心配したらいいんですか?」
「45歳~55歳ぐらいからというケースが多いと思います。女性は、閉経に向かって女性ホルモンが低下するんですが、それが一因ですね」
「どういう症状が出るものなんですか?」
「症状としていちばん出やすいのは、ほてりや発汗ですね。それから、睡眠が浅くなって質が悪くなったり、関節痛が出たり、だるくなったりします」
「精神的な症状はありますか?」
「落ち込む人、イライラする人、波がある人といろいろです。ただ更年期障害は症状の出方にかなり個人差があります」
「その症状は、一生付き合っていかないといけないんですか?」
「更年期が一生続くことはありません。症状も徐々に落ち着いてきますし、病院で緩和することも可能です」
「わたしの年齢だとまだちょっと余裕がありますが、あっという間なんだろうなぁ。ちなみに友人は『命の母』を飲んでるんですが、効果はありますか?」
「『命の母』は、更年期に悩む人のために、漢方をいろいろと混ぜて合剤にした商品ですね。効果は人によるとしか言えませんが……『病院へ行くほどではないけど、更年期かな?』という時に買う方が多いようです」
「養命酒も同じノリですか?」
「養命酒は更年期向けというか、疲れや冷えに悩む人向けですが……やはり合う・合わないがあるとしか言えないですね」
更年期に関係なく、健康のために少しでも体に気を使いたいということで、先生が普段から飲んでいるサプリを尋ねたところ―
・免疫力アップのためにビタミンD3
・疲労回復のためにビタミンB群
・ビタミンC
・アンチエイジングのために亜鉛
を飲んでいるとのことでした。参考にしてください
冷えって実は恐ろしい?
「続いては冷えのお悩み。これに関してはなんとなく女性の方が多いような気がします」
体を冷やしてると老後どんな不具合が? 冷え性と老いは関係あるの?
Hさん 43歳
「よく『体は冷やすな』と言われるけど、冷やすと何が起きるのか?よくわかってない人が多いみたいです」
「冷えと老いは間違いなく関係ありますね。年齢とともに末端の血流が悪くなっていくので、冷え性を訴える方が増えます。なので、冷やすのはもちろんよくないです。それに、若い頃から女性は冷え症の方多いですよね」
「私がそれです。春夏秋冬めっちゃ冷えてます」
「冷え性は、血流の問題や、ホルモンの分泌量の問題などのいろいろな問題が重なっているので、実はすごく治療しづらいんです」
「そうなんだ!」
「やはり、生活習慣の中で体を冷やさない努力をしなくてはいけません。食べ物でも、体が冷える食べ物ではなくて、温かくなる食べ物を優先すべきです」
「体を温める食べ物というと、例えばどういうものでしょうか?」
「ちゃんと調理したタンパク質など、栄養をしっかり摂ることですね。ダイエットのために偏った食べ方をしないこと! また、夏の暑い時に冷たいものばかり飲んでいると、夏バテになって体が冷えてしまうので、それも気をつけてください」
「キンっキンに冷えた麦茶を一気飲みするのが夏の習慣なんですけど」
「キンっキンに冷えた麦茶は確かにおいしいですが、冷え性には天敵です」
「わかっちゃいるんだけど、やめられないんだよな……」
最後のお悩み
「次が最後のお悩みになりますね。こちらです、どうぞ!」
アラフォーがヘドバンするのは、10代がやるのに比べて身体的なリスクが高いのでしょうか?
Hさん 37歳
「……え? ヘドバ……なんですか?」
「先生、私かれこれ20年以上ビジュアル系バンドのファンをやってまして」
「はあ」
「ライブに行くとよくヘドバン(ヘッドバンギング=曲に合わせて頭を振る行為)をするんですけど……ああいうのは、やっぱり若い頃よりも身体的なリスクは高くなるんですか?」
「ひにしさん本人のお悩みなの!!?? ヘドバンねぇ……まあ首によくないのは確かでしょうね。重たい頭部を、首を支えにブンブン振り回してるわけですから。若い頃と比べて関節も弱くなってますし」
「でもやりたいんですよ」
「今はまだ耐えられるかもしれませんが、10年後にはしんどくなって自らやめるのでは……。今だって翌日とかつらくないんですか?」
「つらいです。起きた瞬間から首を持ち上げるの大変です」
「疲れやダメージが残りやすくなりますからね。できればヘッドバンギングをしなくても聴けるようになってほしいですが、無理そうですか?」
「無理だと思います。それだけが生きがいなので」
「そのおかげで他のストレスが軽減できるというなら、あえて止めはしませんけど。でもくれぐれも無理はしないでくださいね」
「わかりました。でもあと10年は首と相談しながらヘドバンし続けます! 生きがいなので……!」
「今回お話を聞いて、怖い!悲しい!と思っちゃったんですが……老いで悩んでいるのは自分だけではないということもわかりました。少しでも食い止めるために、これからも努力したいと思います」
「ありがとうございました。またいつでも相談に来てください」
気になることを全部聞いてみて
女の老いの悩みのプロ、浜中先生に色々聞いてきましたが、疑問や謎はだいたいとけたし、ここまできてもうよくみなさんわかりましたね。
・生理周りや肛門周り、子宮周りで気になることはとにかく早く病院へ!
・老いを少しでも食い止めるには体の中からのケアが大事!食事と睡眠、基本すぎるけどここに目を向けろ!(若い人も先行投資のつもりで気をつけよう!)
・運動習慣をつけないと老いには抗えない!まずは有酸素運動から!無理をしない!
・更年期は一生続かない!気になったら病院に行って治療しよう!
そして…
老いは止められない
諦めるのか抗うのか。全ては自分次第。
とりあえず、私はヘドバンがあと10年できることが判明したのが大収穫過ぎました。もう少し頑張って振り続けることにした! (そこ?)
終わり