こんにちは! 飲食チェーン店マニアのBUBBLE-Bです。

少しずつ春めいた陽気を感じるようになってきました。この時期になると、ついついお酒が飲みたくなりますよね。そこで、少し変わった飲み方を提案してみます。

 

突然ですが、牛丼屋でハシゴ酒、やったことありますか?

 

 

そんな、同じものばかり食べてると飽きるじゃん……。もっと色々食べたいのに何でわざわざ?とお思いの方、いらっしゃいますよね。僕もそうでした。

 

しかしあえて単一の食べものにフォーカスすることで、今まで見逃していた面白さに気づけることがわかりました。つまり、その食べ物に対してグッと近づくことで、今まで見過ごしていた味や食感、香りといった要素に気付けるのです。

 

そうやって同じ物ばかりを食べて飲み歩くことを、本の「ななめ読み」になぞらえて、「ななめ飲み」と名付けてみました!

 

ジモコロで11月に公開したななめ飲み【中野・餃子編】から早、3ヶ月。

今回は牛丼屋でななめ飲みをします! 吉野家、すき家、松屋、なか卯。それぞれの牛丼の味を、ななめ飲みでじっくりと味わってみたい。

 

肉は柔らかいのか、硬いのか?

味付けは濃いのか薄いのか?

そしてどの牛丼が一番お酒にあうのか?

 

吉野家が牛丼を肴に酒を飲む「吉呑み」を提案するこの時代。そんな呼びかけに対しての、我々酒飲み側からのレスポンス! それが牛丼屋ななめ飲みです!

 

それでは、始めましょう!

ななめ飲み 牛丼編 in 五反田、はじめます!

今回のななめ飲みは、五反田で行います!

そんな酔狂な飲み会に参加してくれたのは……

 

という、肉を語らせたら泣く子も黙る、ガチな肉オタクの方々です!

ここで、ななめ飲みのルールをおさらいします。ななめ飲みは、2つのルールにのっとった飲み方とします。

 

この2つのルールにのっとるだけで、街が食フェス会場に思えてくる。

だからあえて、徒歩圏内で行ける範囲の店舗に絞ってます。

 

都内でも屈指の牛丼密集エリアである五反田で、今夜のルートを組んでみました!

 


1店目
「吉野家」

五反田駅西口を出て目黒川を渡り、飲食店の多いエリアにある吉野家 西五反田一丁目店から開始!

2店目「すき家」

吉野家から徒歩1分。こんな近くにライバル店がありました。すき家 西五反田一丁目店が2店目。

3店目「なか卯」

すき家から徒歩1分。こんなに近いと本当にフードコート感覚です。なか卯 五反田店を3店目にチョイス。

4店目「松屋」

ラストは松屋。なか卯から横断歩道を渡ればすぐに松屋です。なんという牛丼シティでしょうか。松屋 西五反田店でクライマックス!

 

ちなみに今日のメンバー全員、牛丼チェーン店でのハシゴ飲みは初体験とのことでした。
事前にどの牛丼チェーンが一番美味しいか予想してもらったところ、「なか卯は出汁の味が美味しそう」「吉野家こそ牛丼の基本」との前評判。

 

さて、実際はいかに!?

牛丼ななめ飲み1軒目「吉野家」からスタート!

一行は1軒目となる「吉野家」へ向かいます。

歩いていると焼肉店だらけ。五反田駅西口の肉偏差値の高さは何でしょう?

これは牛丼店も期待できるかも知れない……と言ってる間に到着!

 

「吉野家 西五反田一丁目店」です!

 

創業1899年の老舗。築地で愛されてきたその味は、まさに日本のスタンダード牛丼!このオレンジ色の看板を見るだけで条件反射的に牛丼の味を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。

「吉野家に行くために、電車を乗り継いだ上に、待ち合わせまでしたのは生まれて初めてです」

「今日は全員、そうだと思います」

 

まずは瓶ビールをオーダー。

運ばれてきたのは、サントリーの「ザ・モルツ」

 

 

「吉野家ってモルツなんですね! この無印モルツ、好きなんですよ」

「プレモルではなくノーマルモルツ、確かにあまり見ないですね!」

 

今回は牛丼店4軒のハシゴを完遂するため、ご飯のない「牛皿」をオーダーしていきます。

 

それでは始めます!

乾杯~~!!

 

 

「いいなぁ~! 仕事終わりの一杯、たまらないですね。」

「吉野家で乾杯するというのも何か新しい! これが吉野家が提唱する「吉飲み」ですね!

 

アメリカ産牛肉のバラ肉を、赤身と脂身が6:4になるようにカットされたのが吉野家の牛肉。ここに味付けされる吉野家秘伝のタレのレシピは、社内でも数人しか知らないもので、タレと玉ネギを長時間煮込むことで吉野家の味になるのだという。

この柔らかい肉と出汁の味がしみこんだ玉ねぎの組み合わせは、まさに吉野家っていう感じがします」

日本人が慣れ親しんだこの味は、日本料理という感じすらしますよね」

チェーン店の牛丼って、スジの硬い部分をいかに柔らかくするか?という企業努力をしてる気がしますね。普通だとカットするような脂の部分まで煮込んで、美味しくしているのかな」

「どこを食べても凄く柔らかくてトロトロで柔らかいですね」

 

「紅生姜のトングに『吉野家』のロゴが入ってますね!」

シグネチャーモデルですね。YOSHIKIモデルのピアノ、布袋モデルのギター、吉野家モデルのトングですよ!」

 

牛丼ななめ飲み2軒目「すき家」へ!

さて次は牛丼チェーン店最大手の「すき家」へ!

なんと吉野家から徒歩1分という好立地で、五反田における牛丼ななめ飲みのしやすさを感じさせてくれます。

 

これちょっと近すぎますね!」

こんなに目と鼻の先の場所にあるとは……」

 

「すき家 西五反田一丁目店」

 

1982年、横浜の生麦にてお弁当屋「ランチボックス」として創業したすき家。赤レンガ調の店舗外装は創業の地である横浜の赤レンガ倉庫をイメージしているそうです。様々なトッピングが人気のすき家ですが、老舗吉野家との違いはいかに!?

牛丼のハシゴって、人生で初めてですよ」

普通はそうですよ!」

 

まずは瓶ビールをオーダーします!
運ばれてきたのは、アサヒ「スーパードライ」

そして可愛い形のグラスは、すき家オリジナルです!

 

おっ、すき家はアサヒのスーパードライなんですね!」

「ちょい飲み用に用意されたグラスのロゴも多色刷りで良いですね。では乾杯しましょう!」

 

それでは始めます!

乾杯~~!!

 

ビールの味がさっきのモルツと全然違いますね。スーパードライってこんなにあっさりしてるんですね。牛丼との相性も良さそう!」

 

以前はオーストラリア産がメインだったが、現在はアメリカ産とカナダ産のバラ肉を使われている。企業秘密のレシピで作られるタレで味付けをし、「牛肉4に対し、玉ねぎ1」のバランスで煮込まれて、最も味が染みこんだタイミングで提供されるのだとか。

あっ、脂身が多いですね!さっきの吉野家よりもジャンク度が増してる感じがします」

吉野家が和食だとすると、こちらは大衆食堂という感じがしますね。より若者が好みそうな味という感じ。」

なんかそれが客層に直結してる感じがしますね。すき家に来るお客さんは全体的に若い感じがします」
「(おじさんたちが牛丼屋で真剣に味を分析している姿、おもしろいな…)」

 

牛丼ななめ飲み3軒目「なか卯」へ!

3軒目は「なか卯」へ!

 

 

すき家を出て徒歩1分、我々はあっという間に3つめの牛丼店にたどり着きました。

 

「なか卯 五反田店」

 

1969年、大阪の茨木にて、うどんと牛丼の店として創業したなか卯。今ではすき家と同じゼンショーグループに属するチェーン店となっています。メニューの幅が広く、牛丼の他にもうどんや親子丼まで取り揃えているのが特徴です。

 

あっ、『呑み卯(のみう)』っていうのやってるんですね!」

『ちょっと呑み卯していかない?』みたいな感じで飲むわけですね。お酒も安いなあ」

僕らも呑み卯していきましょう!」

 

それでは早速

乾杯~~!!

 

なか卯はキリンの一番搾りなんですね! そしてビールジョッキで乾杯は初めて!」

ジョッキで乾杯すると飲み会っぽさが出てきますね」

 

2020年1月に全面リニューアルされたなか卯の牛丼。これまでは牛肉プラス長ネギ+しらたきという、すき焼きを思わせる具材だったところが玉ネギに変わり、オーソドックスなスタイルの牛丼となった。こちらは和風牛丼と名付けられている違いはあるものの、同じゼンショーグループであるすき家との棲み分けはいかに!?

おお、甘い! この味を例えるなら、すき焼き風味ですね! 牛丼チェーン界でも相当味が濃い方かも」

脂身自体は少ないんだけど、脂の周辺の硬くないスジが多い印象。玉ネギの少なさもあって、牛肉感が一番強いですね」

僕は羊ばっかり食べるんで肉のクセには敏感なんですが、なか卯はかなり牛肉のクセを感じます。これがおいしいと感じる人も相当いると思いますけど」

この味の濃さを突き詰めると、みたらし団子になっていくような気がします」

 

牛丼ななめ飲み4軒目「松屋」へ!

 

いよいよラストとなる4軒目は「松屋」へ。

 

なか卯の向かいにあり、横断歩道を渡るだけで松屋に!

 

「松屋 西五反田店」

 

1966年、東京の江古田にて中華飯店「松屋」として創業したのが松屋のルーツ。1968年には今に繋がる「牛めし」を誕生させました。現在の店舗数は1000を超え、吉野家と同じくらいの規模となっています。牛丼以外にも、カレーに固定ファンが多いことで有名で、ジョージア料理のシュクメルリなど、実験的な期間限定メニューを出すのも松屋のスタイルと言えます。

 

さていよいよ今回のななめ飲みのラストを飾る松屋です!」

店内の雰囲気が明るくて、ファミレスにいる感覚がしますね」

 

それでは最後の…

乾杯~~!!

 

松屋のビールは、アサヒ「スーパードライ」

グラスは無地のものが使われてます。

松屋もすき家と同じでスーパードライだったんですね!」

すっきりしていて、何杯でも飲めちゃいますね、これは」

 

2014年に「プレミアム牛めし」としてリニューアルされた松屋の牛めしは、それまでフローズン(冷凍)牛肉を使用していたものを、品質管理が難しいとされるチルド(低温保存)牛肉に変更し、肉の美味しさを最大限に引き出したのが最大の特徴。

あっ、あっさりしてる。味付けは今日行ったお店の中で一番薄めですね。すき家やなか卯とは正反対というか。」

この薄味は肉の味をそのまま出してきますね。だからこそ脂身の美味さがより際立って伝わる気がします」

松屋ってこんなにシンプルな味付けだったんですね。一番好きかも知れません。松屋がこんな味だったとは予想を裏切られました」

今日行った3店とは味付けの方法論が違う感じがします。プレミアム牛めしになってから、何かが突き抜けたような気がします」

 

ついに、五反田で牛丼を食べ尽くした!

牛丼店でななめ飲みも無事に終了。牛丼店同士のハシゴなんて普通はやらないと思いますが、飲みながら4軒も回ったことで、これまで気付かなかった部分が見えてきました。


食べ比べた感想をまとめると……

 

・どのお店もすじ肉を長時間煮込んで柔らかくしている

・吉野家は日本料理を感じさせる風味

・すき家は派手な味付けで客層も全体的に若い感じ

・なか卯はすき焼き風味でドリンクが安い

・松屋は味付けを薄味にして、肉の旨味を引き立たせる戦略が功を奏してる

・お店ごとにビールの種類が異なるという発見!!

 

そして何より…

牛皿とビールの相性は最っ高!!

 

今回は五反田 ×牛丼という組み合わせで行いましたが、街と食べ物の組み合わせは無限大。

普段とは違う角度から街を楽しめる「ななめ飲み」、皆さんも是非お試しあれ!

【おまけ】ななめ飲み 牛丼編モデルコースの提案

最後に、牛丼のななめ飲みができるコースのご提案!

 

五反田編

スタート地点:五反田駅 西口
1軒目:「吉野家 西五反田一丁目店」
2軒目:「すき家 西五反田一丁目店」
3軒目:「なか卯 五反田店」
4軒目:「松屋 西五反田店」

 

渋谷編

スタート地点:渋谷駅ハチ公口
1軒目:「吉野家 渋谷109前店」
2軒目:「すき家 渋谷南平台店」
3軒目:「なか卯 渋谷宇田川町店」
4軒目:「松屋 渋谷センター街店」

 

新宿編

スタート地点:新宿駅西口
1軒目:「吉野家 新宿センタービル店」
2軒目:「すき家 新宿NSビル店」
3軒目:「なか卯 西新宿店」
4軒目:「松屋 西新宿8丁目店」

 

大阪梅田編

スタート地点:大阪駅御堂筋南口
1軒目:「吉野家 曾根崎東店」
2軒目:「すき家 曾根崎東店」
3軒目:「なか卯 梅田太融寺店」
4軒目:「松屋 梅田神山町店」

 

名古屋編

スタート地点:地下鉄東山線・鶴舞線 伏見駅
1軒目:「吉野家 伏見通錦店」
2軒目:「すき家 伏見通り栄店」
3軒目:「なか卯 広小路本町店」
4軒目:「松屋 広小路本町店」