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ジモコロ編集長の柿次郎です。

全国47都道府県のローカル愛のある皆さんに支えられて、3度目の年末を無事迎えることができました。

2017年は通常運営だけにとどまらず、フリーマガジンの制作・配布、ポップアップショップの運営、写真展の開催、全国各地でのイベント登壇など、ウェブの領域を超えた動きに時間を使いました。リアルな場で読者との接点を生む機会は、今後もどんどんやっていきたいと思います。

それでは、毎年恒例の編集部おすすめ記事をお楽しみください!

 

2017年 PVランキング

1位

たくさんの「できないこと」に直面し、学校へ行けなくなった岩野響さん。両親のすすめで「できること=コーヒーの焙煎」を仕事にし、群馬県桐生市にコーヒーショップ「HORIZON LABO」を15歳で構えた響さんを取材しました。

 

 

2位

なぜ海外映画のポスターを日本で作ると、全然違うデザインになってしまうのか? ライターの社領エミが映画配給会社に突撃した結果、「お客さんの最大公約数」を狙うがゆえの映画配給のジレンマがみえてきました。

 

 

3位

どの学校でもいましたよね、「学年トップ」。あの人たちは大人になった今、どうなってるのか気になりませんか。お金持ちで幸せに…? それとも落ちぶれてド不幸に…? 
『国立大で奨学金の免除をうけたAさん』『進学校出身・全国模試一位だったBさん』の二人の今からみえる、人生の悲喜こもごもをどうぞ!

 

 

4位

実は「子どもの貧困」先進国である日本。その実情は見えづらく、社会が把握するのも困難なのが現実です。今回は社会活動家の湯浅誠さん、NPO団体の小澤いぶきさんに話を聞き、「子どもの貧困」の実情をわかりやすく伝えるマンガを制作しました。

 

 

5位

おじいちゃんっ子だったイラストレーターの杏耶さんですが、ある時、大好きなおじいちゃんが認知症に。親子で介護に取り組む中で直面したさまざまな出来事を、杏耶さん自らが漫画にしました。高齢化が進む日本で介護問題とどう付き合うべきか、考えるきっかけになれば何よりです。

 

 

6位

ニュースなどでよく目にする「国境なき医師団」って、一体どんな団体なの? ライターのヨッピーが、実際に現地で活躍する医師団の人に話を聞きました。さらに、支援者でもある高須クリニック院長・高須克弥さんにも取材!さまざまな角度から「国境なき医師団」の実像に迫ります。

 

 

7位

誰にでも訪れうるのが「肉親の死」。そんなとき葬儀の準備や手続きをどうすればいいのか、ライターの石垣りょうが自分の経験を元に漫画で紹介します。いざという時に落ち着いて対処するために、きっと役に立ってくれる記事です。

 

 

8位

この記事が公開される頃、まさに開催中の「コミケ」。同人誌のイベントはいまや全国で毎週のように開催されています。そんな同人誌の印刷を手がける「印刷所の中の人」に、原稿データに関する注意や印刷の苦労話を聞いてきました。みんな、とにかく締め切りだけは守ってあげて〜〜!

 

 

9位

百貨店の経営を支える超セレブなお得意様「外商顧客」の存在、知っていましたか? 「百貨店の売り上げの約6割を担っている」「専用サロンがある」など、わりとヤバめな暴露話をデパートの匿名社員の方にコッソリ伺いました。

 

 

10位

好きな漫画を聞かれると、大抵「カッコいいと思われたい欲」が顔を出してファッションとしてのベスト5を言ってしまう…そんな説が立証された対談企画。皆さんもぜひ、正直に「カッコつけてない漫画ベスト5」を友人同士で、社内で出し合ってみてください。確実に盛り上がれますよ。

 

 

11位

消費量がなんとピーク時から100万キロリットル以上も減っているという日本酒。自身も日本酒の飲み方がわからない漫画家・カメントツが、長野の酒造「大雪渓」に突撃しました。その結果、なんとカメントツがデザインしたラベルの「ジモコロ大雪渓」が完成!?

 

 

12位

「無くなっても気づかない都道府県」なんて存在するのか…? リサーチの結果、大胆不敵にもそのランキングを発表しています。いや、意外と気づかないものなんです…本当に。「都道府県マスター潤」の真骨頂というべき1本です。

 

 

13位

大小様々な工場で働いてきたライターのギャラクシーが、経験者だけがわかる「あるある」50個を発表! 元ヤンってやっぱり多いの? ぶっちゃけ給料って? 人間関係って難しいの? …などなど、工場で働いたことのない人には驚きの連続かもしれません。 

 

 

14位

最後には気が狂ってしまうといわれる「鏡の中の自分に『お前は誰だ?』と問い続ける」行為。試してみるのも怖いですが、ブログ「真顔日記」作者・上田啓太が本気で検証してみました。浮かび上がったのは「意識と肉体のズレからくる恐怖」。たまにはこんな哲学的なジモコロも。

 

 

15位

600種の野菜を山形で育て、日本で初めて食用ハトを養殖し、講演料は50万円…という謎の「マッドサイエンティスト農家」山澤清さん。「微生物が人類の未来を作る」という彼の壮大な人類改造計画(と、乳首上げ計画)、必読です。

 

 

ジモコロ編集長・徳谷柿次郎のおすすめ

60歳とは思えない肉体美、そして自立心と学びに多くの時間を割いてきたであろう哲学。この2つを兼ね備えた父親、滅多にいないのではないでしょうか。ライター・ナカノヒトミの源泉はこの父親にあるんだなと実感できた取材でした。記事タイトルを最後にスッと差し込む構成も気に入っています。

 

ジモコロのフォーマットがまたひとつ確立しました。それは地方で元気に活躍する中小企業社長の「ガハハ感たっぷりなエピソード力」です。関東ではお馴染み「キンミヤ焼酎」の知られざる事実も秀逸。やはり酒を酌み交わしながら、心と言葉を少しずつほぐしていくインタビューは素晴らしいですね。ライター・日西愛さんの技量あってこその記事でした。

 

地球全体の資源が枯渇し始めていて、できるだけ環境負担の少ない選択肢が必要となってきています。とはいえ、ここまで資本主義が拡大した「便利すぎる生活」を捨てることは難しく、ちょうどいいラインを探す必要がある。いっそ主語すら柔らかく置き換えて伝えるのはどうだろう? そういった経緯でこの意味深なタイトルが生まれました。公開後10日以上もジワジワとSNSでシェアされた珍しいケースですが、それだけ世の中の関心も高まっているんでしょうね。

 

ジモコロ初の「県知事」インタビュー! ライター・友光だんごの父親のコネクションを頼りに頼って実現しましたが、この事例を懐に忍ばせておけば、残り46都道府県の県知事インタビューも可能かもしれません。いや、やるしかない。

 

年末に公開したばかりですが、ジモコロ編集長として伝えたいことがすべて詰まっています。全国のライター編集者、デザイナー、ゲストハウス&カフェのオーナー、行政の方々などなど、「今住んでいる地域を盛り上げたい」と考える人全員に読んで欲しい。なぜなら、ローカル編集者の大先輩・藤本智士さんが10年以上かけて行き着いた答えだからです。知り合いに該当する人がいたらURLを送りつけよう!

 

ジモコロ工場長・ギャラクシーのおすすめ

ビジュアル系というと、人や町からかけ離れたイメージがあるけど、20年も専門店を続けることで、クールな文化に(本来なら異質なはずの)地元感がうまく溶け込んでいる。店員さんにも、ライターのひにしさんにも、ビジュアル系に対する深い愛があって、結果、すごく温かい記事になっていると思う。

 

自分自身が小学校の頃 中森明菜のブロマイドを持っていたし、そういう世代だった。なので、仕上がってくる写真すべてに「っぽい~!」と思って爆笑してしまった。銀幕のスタアや人気歌手など、僕が住んでた地方では異世界のできごとだったけど、「浅草」ではこれが地元感だったんだろうな、という不思議な感覚。

 

ライターが実際に経験したヒグマ遭遇エピソードを軸に、北海道ならではのクマ対策を聞きに行った記事。専門家の語る生態や対策が生々しくて、北海道以外の人にとっては「異国感」が楽しめる記事になったと思う。ヒグマの写真も迫力があって、絵的にもおもしろい記事だったと思う。

 

何の役にも立たないし、誰の得にもならない会話が延々続くのが良い。「友だちの家に遊びにいって、やることないから地元を散歩してる」みたいな感覚。不思議な郷愁があるけど、後に何も残らない潔さが最高ではないだろうか。

 

撮影に同行したんですが、ご主人の鍵マニアっぷりがすごくて、ず~~っと古今東西の鍵のことを喋ってた。本当に鍵が好きなんだろうなぁと。ライターは「ちょっと興味があった」くらいの立ち位置だけど、鍵愛の凄さにタジタジになってました。

 

株式会社アイデム・藁品優子のおすすめ

「名前は知っているが、細かい仕事内容はそういえばよく知らないな…」

そんな仕事をライター自ら一日体験し、記事にする企画の第一弾です。ライター・みくのしんさんの握力が27キロだと知った時は「なぜ解体作業をチョイスしたんだろ…」と愕然としました。

最初はぎこちない雰囲気だったのが、映画談義(?)に花を咲かせ、全くウケない冗談をいえるぐらい馴染み、顔に泥が飛ぶほど熱心に作業をしていくさまがリアルで面白い。
「実はよく知らなかった」仕事を掘り下げて、楽しく詳しく解説するこの企画。求人メディアのアイデムとしても続けていきたいです。第二弾、第三弾も乞うご期待!

 

日本の職人文化が危機に瀕している一番の原因とは? 記事内で飴細工職人・手塚新理さんは「知られていないこと」と話しています。ならば、アイデムはそれを支えたい。

少しでも多くの人に日本の職人文化の実態を、その技術の尊さを伝えたい。それが「地元メディア」と銘打つジモコロの役割だ!と志を新たにした記事です。

 

 

カンピューターおばちゃんこと藤原さんの元気で明るすぎるキャラクターもさることながら、雇用問題への取り組み、柔軟な働き方、リーダーとしての指導方法など、マネジメント手腕も学ぶところが多かったです。
まだまだ日本にはカンピューターおばちゃんのような元気で想像&創造力のある方がたくさんいるはず。2018年もたくさんのおもしろ人間を紹介して、地元メディアとしてジモコロも成長するぞー!そしてわたしも孫にぽんっと5万円渡せる元気で気前のいいおばあちゃんになりたいっ・・・!

 

2017年 締めの言葉

来年5月に3周年の節目を迎えます。企画と熱量。現場主義の”一次情報”を掴んでくるのはもはや当然の使命です。だからこそ今後の編集方針を新たに考えました。

 

地べたの「文化」と「仕事」を伝える

 

今後も中央集権の他人事意識が、ローカルの可能性をスルーし続けるかもしれませんし、メディアが流行りものとして消費し続けるかもしれません。きっと憧れや嫉妬が判断を鈍らせることも。また、成功事例のコピーに飛びつく地方自治体の動きも気になりますよね。

 

そういうの一回、無視しませんか。

まずは自分がやれることから始めませんか。

 

社会変化の激しい時代だからこそ今一度立ち止まって、”地べた”を見つめ直す。手の届く範囲にある価値を再評価する。気の合う仲間を集めて、楽しい場を自ら作り上げる。ジモコロはそうした人たちを応援するメディアでありたいと思っています。

 

それでは来年もよろしくお願いします!